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源氏ボタルの好物カワニナ、子どもたちが放流体験♡橋本河川愛護会の森脇会長「自然の素晴らしさ感じてね」
和歌山県橋本市矢倉脇の一般社団法人「紀の国森社中」=小杉美恵子(こすぎ・みえこ)代表=で学ぶ子どもたちは9月24日、地元の根古川(ねごがわ)で、源氏ボタルの幼虫のエサ・カワニナの放流体験をした。橋本河川愛護会の森脇稔(もりわき・みのる)会長は「来年夏、この幼虫が大きくなり、美しく飛び交う光景を見て、自然の素晴らしさを感じてほしい」と話していた。
ここは南海高野線・紀見峠駅近くで、紀の川・上流の根古川、笹尾川などが四季の花木に包まれている。森脇会長らは毎年、同川に源氏ボタルの幼虫の好物・カワニナを放流し、やがて「源氏ボタルの名所」となったが、近年の台風・豪雨による土石流で、カワニナも源氏ボタル幼虫もほとんど流出してしまった。
そこで今回は大阪・狭山池周辺で採取したカワニナなどを放流するとともに、子どもたちの成長を願ってカワニナ放流体験を企画。この日、「紀の国森社中」で学ぶ子どもたち(小学1~4年)7人が根古川岸に集合。森脇会長は「源氏ボタルに沢山飛んでもらうには、カワニナ放流が必要」と説明。ウォーターシューズを履いた子どもたちは、カワニナ入りのポリバケツを持って同川せせらぎに立ち、森脇会長の指導で、カワニナ約10000個を放流、せせらぎ行く小さなカワニナに目を輝かせていた。
自然教育を重んじる「紀の国森社中」の小杉会長は、「源氏ボタルを輝かせるカワニナ放流は初体験で、子どもたちに楽しい力をいただきました」と全員でお辞儀。森脇代表は「橋本は世界一の数学者・岡潔博士のふる里であり、岡博士の著書には、散歩やホタル狩りをしている時に、ふと数学の難問が解けたという、素晴らしい逸話があり、とくに自然の趣(おもむき)を感じる日本人の情緒を讃えられました。この放流体験はとても大切だと思います」と話していた。
写真(上、下)は根古川にカワニナを放流する子どもたち。写真(中)は森脇会長からカワニナの説明を聞く子どもたち。