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世界遺産・慈尊院の山門前で紫陽花 20鉢神々しく♪参拝・観光客の心和む♡93歳・女性「手を合わせるだけで幸せです」

真夏日となった6月14日、和歌山県九度山町の女人高野別格本山・慈尊院(じそんいん)=安念清邦(あんねん・せいほう)住職=の山門に約20鉢の紫陽花が神々しく飾られ、大勢のお遍路や参拝・観光客の心を和ませた。安念住職は「これは檀信徒の奥様の献花です。誠に美しいので、ぜひご覧ください」と言っている。

 

慈尊院は高野山が女人禁制だった昔、弘法大師・空海の母・玉依御前(たまよりごぜん)が起居し、空海が世界遺産・町石道(ちょういしみち)を下山孝行した名刹。本堂にご母堂が祀られ、境内では朱塗りの多宝塔がくっきり。鐘楼堂のそばでは、空海や高野山案内犬ゴンちゃんの石像が飾られている。

この日正午ごろの気温は32度の暑さだったが、山門前の石段の中央部や、山門の左右に鉢植えの紫陽花が飾られ、

参拝・観光客の眼差しはたちまち爽やかに。一方、同院が聖観音菩薩立像に供えた花蓮(はなはちす)も。ぐんぐん蕾(つぼみ)が膨らみ、開花し始めている。

 

橋本市からタクシーで訪れた93歳・女性は、「今は亡き夫とともに毎月ご参拝に訪れた寺院。それだけにここで手を合わせるだけで幸せです」と白い歯を見せていた。

 

[紫陽花の俳句24句紹介]

 

帰省子に雨の紫陽花濃むらさき(水原秋桜子)

 

思ひ出して又紫陽花の染めかふる(正岡子規)

 

濯ぎ場に紫陽花映り十二橋 (水原秋桜子)

 

病棟は暗き窓もつ濃紫陽花(山田弘子)

 

紫陽花に佇んで胸濡らしけり(黛 まどか)

 

紫陽花に八月の山高からず(飯田蛇笏)

 

紫陽花に瞳ばかりの記憶あり(長谷川かな女)

 

紫陽花に置いたる五指の沈みけり(川崎展宏)

 

紫陽花の真夜の変化はわれ知らず(鈴木真砂女)

 

紫陽花の花に日を経る湯治かな(高浜虚子)

 

紫陽花の藍きはまると見る日かな(中村汀女)

 

紫陽花やきのふの誠けふの嘘(正岡子規)

 

紫陽花や大きな夢はばらばらに(加藤楸邨)

 

紫陽花や水辺の夕餉早きかな()水原秋櫻子)

 

紫陽花や筧に口をそゝぐ尼(寺田寅彦)

 

紫陽花や赤に化けたる雨上り(正岡子規)

 

紫陽花や身を持ちくづす庵の主(永井荷風)

 

あぢさゐの残花といへどみづみづし(山口誓子)

 

あぢさゐの毬の幼き帰郷かな(鈴木真砂女)

 

あぢさゐの色にはじまる子の日誌(稲畑汀子)

 

あぢさゐやきのふの手紙はや古ぶ(橋本多佳子)

 

あぢさゐやこの高みまで来れば山(久保田万太郎)

 

ゆあみして来てあぢさゐの前を過ぐ(山口誓子)

 

大學の中のあぢさゐ咲けるみち(久保田万太郎)

 

写真(上、中)は慈尊院・山門前で満開の鉢植えの紫陽花。写真(下)は外から眺めた慈尊院・山門風景。


更新日:2024年6月14日 金曜日 16:43

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