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早くも源氏ボタル、飛びはじめたよ♪南海・紀見峠駅近くの笹尾川~橋本・矢倉脇「ホタルの会」森脇会長「楽しんでね」
和歌山県橋本市矢倉脇の笹尾(ささお)川で5月中旬、今年初めての源氏ボタルが飛翔しはじめ、矢倉脇「ホタルの会」会長の森脇稔(もりわき・みのる)さん(83)は「これから6月上旬まで20~30匹くらいが飛翔すると思います。運、不運もありますが、どうぞお楽しみください」と言っている。
ここは南海高野線「紀見峠駅」近くで、森脇会長が「ふる里の美しい山川と源氏ボタルの飛翔を楽しんでもらおう」と、約20年前から地元有志とともに、特設水路でカワニナを養殖放流、無数の源氏ボタルを育ててきた。これまで2度の豪雨水害を受け、源氏ボタルは激減したが、今ではかなり復活してきたらしい。
同川沿いでは、花空木(はなうつぎ)=卯の花=が沢山開花、紋白蝶なども飛び交い、昼夜を問わず楽しい舞台となっている。
一方、地元の根古(ねご)川や、冷谷(ひえだに)川などの蛍情報についても、FMはしもとを通じて発信する予定。
笹尾川は国道371号沿いで、笹尾橋下流約200㍍間が一番楽しそう。同川は何段もの滝状に流れており、川沿いでは花空木(はなうつぎ)=(卯の花)が咲き誇っている。
今年も大阪・難波や堺市あたりからも、家族連れや若いカップルらが訪れそうで、森脇会長は「源氏ボタルが愛を求めて、闇の中を飛び回る姿は、日本の詩情ですよ」と話していた。問い合わせは森脇稔会長(電話=090・5244・0486)。
[季語・蛍の俳句20句紹介]
あとさきの先を思ひて草螢(鷹羽狩行)
あるときは瀧壺ひくくほたる舞ふ(飯田蛇笏)
ほたる火の冷たさをこそ火と言はめ(能村登四郎)
わが息の合ひて螢火明滅す(鷲谷七菜子)
今少し若くて来たしほたる狩(能村登四郎)
何思ひたつ螢火の急上昇(上田五千石)
初蛍かなしき家も寐しづまり(日野草城)
川べりの木は蛍火の館なる(山口誓子)
恋をして流刑に遭ふ螢火よ(鷹羽狩行)
断崖へ来てひたのぼる螢火は(橋本多佳子)
月夜にて海に出でゆく初蛍(山口誓子)
水際に来て螢火の火を強め(能村登四郎)
瀧霧にまひながれゐるほたるかな(飯田蛇笏)
草葉照らして螢火の虚空蔵(鷲谷七菜子)
蛍火の二火が一火となりし事(山口誓子)
蛍火も伊吹の月も美しき(森澄雄)
螢火の一翔つよく月よぎる(橋本多佳子)
螢火やこぽりと音す水の渦(山口青邨)
螢火やひとり降りたる駅さむき(鷲谷七菜子)
螢火や箋一枚の母の情(鷹羽狩行)
写真(上、下)は源氏ボタル乱舞の風景=森脇さん提供。写真(中)は花空木(はなうつぎ)の咲いた笹尾川で「今年の源氏ボタルはここで見つけた」と話す森脇さん。