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藤の花房や錦鯉の遊泳楽しいよ♪橋本の高野山真言宗・子安地蔵寺♡ゴールデンウィークは最高潮に
関西花の寺24番「藤の寺」である、和歌山県橋本市菖蒲谷94の高野山真言宗・子安(こやす)地蔵寺=島田弘恭(しまだ・こうきょう)住職=で4月22日、山門前の藤棚には花房の長い九尺藤が垂れ下がり、訪れた参拝・観光客はその美しさに驚きながら、先ず本堂前で合掌すると、境内の藤棚の陰で地蔵尊がほほ笑んでいた。
今年のゴールデンウィーク(4月27~5月6日)は、見頃も最盛期を迎えるので、家族連れや友人グループは楽しい藤の寺での思い出を心に刻みそう。入山料と駐車料はいずれも300円。
同寺は天平9年(737年)に行基菩薩が開基。御本尊・地蔵菩薩像は行基菩薩の手彫りで、同寺は紀州徳川家の安産菩提所である。
山門前や境内には紫や白など8種類25本の藤が植えられ、境内の藤棚から藤の花房が垂れ下がり、小池では数10匹の錦鯉が遊泳。藤棚の周辺ではツツジ(躑躅)や胡蝶花(こちょうか)=シャガの花なども咲いて夢のよう。島田住職は「どうぞごゆっくりお楽しみください」と言っている。
[季語・藤の花の俳句19句紹介]
手の届く低き藤棚存しあり(後藤夜半)
手をかざす我に藤房揺れ応へ(高濱年尾)
激流に短か藤房花終る(山口誓子)
藤房の揺れる長さの違ふ風(稲畑汀子)
藤房の盛り上がらむとしては垂れ(鷹羽狩行)
女の心触れあうてゐて藤垂るる(桂 信子)
藤咲くや瀬がしらはしるあめの魚(水原秋櫻子)
藤垂れてわが誕生日むらさきに(山口青邨)
藤垂れてこの世のものの老婆佇つ( 三橋鷹女)
藤垂れて春蚕はねむりさめにけり(加藤楸邨)
瀬を見ても酔ふ人の旅に藤垂れて(久米正雄)
誘はるる藤咲くと聞き奈良と聞き(稲畑汀子)
女の心触れあうてゐて藤垂るる(桂信子)
藤咲いて天のしづけさ垂れにけり(鷲谷七菜子)
喪にこもる藤咲きいでしさへ知らず(久保田万太郎)
藤咲くや日もうらうらと奈良の町(芥川龍之介)
花ちりて藤咲までは茶屋淋し(井原西鶴)
ほととぎす宿借るころの藤の花(松尾芭蕉)
鷹の巣の断崖藤の花かけて(山口青邨)
写真(上)は子安地蔵寺・山門前の藤棚に咲いた九尺藤。
写真(中) は境内の小池に垂れ下がる藤の房と遊泳する錦鯉の群れ。写真(下)は本堂前に輝く地蔵尊と藤の花房に見入る人たち。