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世界超1級の岡潔博士「数学体験館」好評オープン♡ふる里の墓所や顕彰碑周辺では桜や草花が咲き誇る
世界超1級の数学者・岡潔(おかきよし)博士の「数学体験館」が、その母校である和歌山県橋本市立柱本小学校でオープンした翌4月7日、岡博士のふる里の顕彰碑近くの、先祖代々墓所では桜か満開になり、岡博士の「情緒」を讃える神々しさを示していた。
「数学体験館」は岡博士の写真や文机、直筆文、生涯年表などが展示され楽しいが、その近くの山中を歩くことで、岡博士の心の原点が伝わってくる。
岡博士は明治34年(1901)大阪市生まれで、父祖の地である橋本市柱本(紀見村)で幼少期を過ごした。京都帝国大学(現・京都大学)で学び、同大学助教授を務めた後、世界的な難問「多変数解析関数論」の3大難問を唯一人で解き証し、昭和48年(1973)日本の勲1等瑞宝章を受章した。
岡博士は思想家としても超一級で、「春宵十話」など日本情緒の大切さを記した著書多数を出版。世界の人々に絶賛されている。橋本市は「岡博士の思想心情を広めよう」と、柱本小学校の鉄筋校舎2教室(約160平方メートル)を改修して「岡潔・体験館」を開館した。
岡博士を育てたふる里(紀見村)は、葛城・金剛連峰の一角で、紀伊名所図会にもお茶屋、旅人の描かれている自然豊かなところ。
ご高齢の1市民は、「岡博士は溜池(ためいけ)の土手に座って終日、小石を投げ込み、水紋の広がりに見入っていた」と、その研究心の深さを回顧している。
同体験館では、岡博士の喜寿祝賀会や、岡博士の奥ゆかしい執筆風景写真、岡博士のインクが染み残る文机や筆・硯(すずり)一式、岡博士・直筆の「無心に働いている時 人は無上の幸福を感じるのである」という色紙、同博士の生涯年表などを展示。すでに大勢の家族連れや若者たちが訪れている。
近くの山腹にある岡博士の墓所では、数本の桜が満開になり、まるで自然が与えた供花のよう。博士の顕彰碑周辺でも、春の草花がいっぱい咲いて、遥か南の高野山が春風に霞み、岡博士を育てた自然パワーを感じさせていた。
写真(上、中)は岡博士の墓所で満開の桜。写真(下)は岡博士の顕彰碑除幕式の風景写真=2018年11月、本紙撮影保存。