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世界超1級の数学者・岡潔博士の「数学体験館」オープン♡幼少期の橋本・柱本小学校~写真や文机、筆・硯(すずり)、生涯年表~学生や家族連れ大喜び
世界超1級の数学者・岡潔(おかきよし)博士の「数学体験館」が、その母校である和歌山県橋本市立柱本小学校で4月6日オープンした。岡潔博士は人間の「情緒」を讃えた思想家であり、国内外の岡潔ファンから愛されそう。
岡博士は明治34年(1901)大阪市生まれで、父祖の地である橋本市柱本(紀見村)で幼少期を過ごした。京都帝国大学(現・京都大学)で学び、同大学助教授を務めた後、世界的な難問「多変数解析関数論」の3大難問を一人で解き証し、昭和48年(1973)日本の勲1等瑞宝章を受章した。
岡博士は、数学界だけでなく、思想家としても超一級で、「春宵十話」など日本情緒の大切さを記した著書多数を出版。世界の人々に絶賛されており、橋本市は「岡博士の思想心情を広めよう」と、柱本小学校の鉄筋校舎2教室(約160平方メートル)を約2257万円を投じて改修した。
この日、同館には岡博士のみち夫人との喜寿祝賀会記念、岡博士の奥ゆかしい執筆風景写真や、岡博士のインクが染み残る、みち夫人の嫁入り道具の文机や筆・硯(すずり)一式、岡博士・直筆の「無心に働いている時 人は無上の幸福を感じるのである」という色紙、同博士の生涯年表などを展示。
また、ドーナツ状の台に2つの玉が置かれ、その1つを突くともう1つの玉に必ず当たるという体験遊具も設置。すべてが数学的に弾むことを示していた。
同館名誉館長に就任した同市高野口町出身で、東京大学の神崎亮平(かんざき・りょうへい)名誉教授は、「岡博士は当地に記念館ができたことを喜んでおられると思う。岡博士は情緒を大切にされ、人は自然の一部で、無駄なものはなく、その関係性の中で意義や価値が生まれると言っていると思う」と、同館の活用を誓っている。
開館日は土・日・祝日(年末年始除く)臨時休館などは同市ホームページで確認を。開館時間は午前9時~午後5時。入館料200円。問い合わせは同館(電話0736・25・2050)へ。
写真(上)は同館の展示・観覧風景。写真(中)は岡博士が使われた文机。写真(下)は喜寿祝賀会で撮影した岡博士とみち夫人、岡博士の執筆の様子=奈良女子大学・保存。写真(下)は岡博士の文机。