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小雨しっとり春彼岸~六地蔵尊の供花あざやか♡橋本・観音寺の東家墓地、雨傘姿の人々「ご先祖の安寧」祈る
山河もまちも小雨に霞む春彼岸の3月17日、和歌山県橋本市東家の高野山真言宗・観音寺=柿内諦光(かきうち・たいこう)住職=の東家墓地入口と十一面観音堂近くに並ぶ六地蔵尊に、高野槇(こうやまき)やラッパ水仙が供えられ、雨傘姿の家族連れらがご先祖の安寧(あんねい)を祈った。
六地蔵尊とは、お釈迦さま入滅の後、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天道の各界)を訪れて、人々を救い、力を与える地蔵菩薩のこと。
今年の春彼岸は3月17(日)~23日(土)の7日間で、17日は彼岸入り(初日)、20日(水・祝)は春分の日=彼岸の中日、23日(土)は彼岸明け(最終日)。
観音寺の檀信徒は、平素から六地蔵尊に供花。春彼岸入りのこの日は、お水やお花も沢山供えて静かに合掌。JR高野線わきの高台の墓地では、ご先祖に感謝するとともに、ご冥福を祈っていた。
参道沿いでは、小さな薄紫のツルニチニチソウ(蔓日々草)がいっぱい咲いて、次々訪れる雨傘姿の参拝者を迎えていた。
[彼岸の俳句12句紹介]
ぜんまいをねんごろに煮て彼岸入(細見綾子)
一山を越え来し思ひ彼岸来る 稲畑汀子
ついて来た犬も乗る哉彼岸舟(一茶)
入彼岸恋のこゑするかいつむり(森 澄雄)
うき人よ彼岸参りの薄化粧(正岡子規)
墓の間に彼岸の猫のやつれけり(石田波郷)
町中が彼岸の匂ひしてをりぬ(稲畑汀子)
鳩尾長総出の日なり彼岸前(石田波郷)
嫁ぐ娘の数珠を選びし彼岸かな(山田弘子)
家々に雨ふりしぶく彼岸道(飯田龍太)
尼の数珠を犬もくはへし彼岸かな(飯田蛇笏)
手に持ちて線香賣りぬ彼岸道(高濱虚子)
写真(上)は観音寺・東家墓地入口でラッパスイセンなど供花された六地蔵尊。写真(中)は参道沿いに咲いた小さなツルニチニチソウ。写真(下)はしっとり春雨の中、参拝者を迎える六地蔵尊。