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正月の飛び越え石、流水かがやく♡真土万葉の里・落合川~ほとりでは仏の座も神々しく開花♪

万葉人が往来した「飛び越え石」のある、和歌山県橋本市隅田町の真土万葉の里・落合川は、令和6年正月の流水にかがやき、川岸では新春の仏の座が咲いて、訪れる人々の心を和ませた。

落合川は幅10㍍前後で、両岸は岩石と木々竹林に覆われ、奈良・和歌山の境界線を流れながら紀の川へ注いでいる。

太古の「飛び越え石」は、同川を堰き止めるほどの一枚岩だったらしいが、「雨だれ石を穿(うが)つ」と言うことわざ通り、万葉時代には長年の水流に削られ、巨石が二つに分離したらしく、水はその50㌢程の間を滔々と流れてきた。

万葉人は真土を舞台に8首もの歌を残し、そのうち飛び越え石については、「白栲(しろたえ)に にほふ信土(まつち)の 山川(やまがわ)に わが馬なづむ 家恋ふらしも=作者未詳」(信土山の川で私の乗る馬が行き悩んでいる。家人が私を思っているらしい)と詠まれている。

和歌山が誇る画家・雑賀紀光(さいか・きこう)さん(故人)は、この和歌をとても愛し、「飛び越え石」で馬と宮人が難渋(なんじゅう)している姿をスケッチ画に仕上げ、真土区では冊子「万葉の里」に掲載している。

同川右岸では、まさに仏の座のような葉の上で、豆粒ほどの小さな花が咲いていて、拡大眼鏡(めがね)で眺めると心洗われる。これから無数に増えることになりそう。

令和6年の飛び越え石の初渡りをする家族連れらは、「今年も足元に気をつけながら、しっかり邁進したい」と話していた。

写真(上)は飛び越え石で難渋する馬と宮人の絵=雑賀紀光さん筆(冊子・万葉の里より)。写真(中)は令和6年正月の飛び越え石。写真(下)は落合川・右岸の真土万葉の里・休憩所近くで咲いている仏の座。


更新日:2024年1月3日 水曜日 17:31

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