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初冬の山茶花、木漏れ日にあざやか♡橋本・矢倉脇の高山森林公園~冠雪前の楽しい山登り
「とんち」で名高い一休さんの兄弟子・養叟和尚(ようそうおしょう)の終焉(しゅうえん)の地、和歌山県橋本市矢倉脇の高山森林公園で11月24日、真紅や純白の山茶花(さざんか)が満開になり、歴史豊かな山岳の初冬風情を繰りひろげた。
この高山には室町時代の宝形山・地蔵寺、矢倉脇の郷には、徳禅寺(とくぜんじ=養叟庵(ようそうあん)があり、京都・大徳寺の高層・養叟和尚が居住。寺院・庵(いほり)とも応仁の乱で焼失して、今は山麓に再建されている。
高山のつづら折りの坂道沿いには、沢山の山茶花の木が植えられ、登山道沿いに林立する杉・ヒノキの木陰では、無数のつぼみが膨らんで花々は満開。枝葉の隙間から洩れるもれる冬日は虹色(にじいろ)を放って、山茶花を包み込んでいた。
高台から南東を望むと眼下には、文明年間(1469~86)に築かれた長藪城(ながやぶじょう)跡の城山(しろやま)が見え、遠くには高野山や大峯山など紀伊山地がパノラマ状に広がっている。
若い女性や、やや高齢者らは、リュックサック姿で健脚を生かし、黄葉・紅葉のトンネルの坂道をのぼる。満開の山茶花に出合うと、さすがに立ち止まり、スマホ撮影を楽しむ。大阪から訪れたハイカーは「何と言っても紀州は歴史・自然が豊か。こんどは高野山へ登りたい」と力強く話していた。
この矢倉脇の郷は、南海高野線・紀見峠駅から約300メートル、高山山頂までは約2キロの距離。多くのハイカーは山茶花と遠景を味わいながら、冠雪前の山歩きを楽しんでいる。
写真(上)まばゆい木漏れ日の虹色に染まる山茶花。写真(中)は高山公園の一角から眺めた紀の川沿いの山々と黄葉。紅葉風景。写真(下)はまっ白な山茶花のクローズアップ。