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中将姫ゆかりの橋本・恋野の雲雀山ふもとで金木犀の花かがやく♡マイカーの女性たち「素晴らしい歴史の里の秋景色」と大喜び
奈良時代の女性史ヒロイン・中将姫ゆかりの、和歌山県橋本市恋野の雲雀山(ひばりやま)ふもとで、秋晴れの10月17日、眩いばかりの金木犀(きんもくせい)の花が咲き誇り、十二単衣じゅうにひとえ()の中将姫が夢の世界から現れそうな詩情を繰りひろげた。
中将姫は、右大臣・藤原豊成の娘として生まれたが、5歳の時に母を亡くした。豊成は後妻に照夜と言う女性を迎えたが、 中将姫は成長とともに容姿端麗で英知に富み、継母はその中将姫に嫉妬・憎悪。命を奪われそうになった中将姫は、雲雀山に2年3か月隠れ住んだ後、奈良・当麻寺に移り、ハスの茎の糸で曼荼羅(まんだら)を織り、成仏したと伝えられている。
この日、都市部からマイカーで訪れた女性たちは、先ず金木犀の花に驚いて、スマホ撮影。近くの祠(ほこら)わきに立つ歴史看板の「中将姫」物語を読んで大喜び。さらに中将姫が鏡として自らを映したという姿見池のある中将が森へ向かった。
[季語・木犀の俳句16句紹介]
みじろげば木犀の香のたちのぼる(橋本多佳子)
夜霧とも木犀の香の行方とも(中村汀女)
妻あらずとおもふ木犀にほひけり(森澄雄)
木犀の香や純白の犬二疋(高野素十)
木犀やしづかに昼夜入れかはる(岡井省二)
木犀の匂はぬ朝となりにけり(稲畑汀子)
木犀の香にあけたての障子かな(高浜虚子)
木犀の香に昇天の鷹ひとつ(飯田龍太)
木犀の香の浅からぬ小雨かな(日野草城)
木犀の香り次第に失せる雨(稲畑汀子)
木犀や月明かに匂ひけり(山口青邨)
木犀や記憶を死まで追ひつめる(橋本多佳子)
祈りの身もだえ金木犀に頭を突入れ(中村草田男)
金木犀午前の無為のたのしさよ(石田波郷)
木犀に薪積みけり二尊院(河東碧梧桐)
木犀や町並いたく古びたる(長谷川櫂)
写真(上、下)は橋本・雲雀山ふもとで添田金木犀の花。写真(中)は近くに建立された中将姫の和歌の碑。