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万葉人の愛した妹背山かすみ、こちらの山腹では烏瓜まっ赤♡葛城・金剛連峰の空から白波のような雲~紀の川フルーツラインから1300年前にタイムスリップ

万葉時代の旅人に愛されたことで名高い、和歌山県かつらぎ町の妹背山(いもせやま)が望める、橋本・伊都地方の紀の川フルーツライン(広域農道)沿いで9月27日、沢山の烏瓜からすうり)が色づき、紀の川沿いに霞む妹背山と、葛城・金剛連峰の空を白波のように寄せてくる雲の風景が、約1300年前にタイムスリップした。

この日、沿道の木々には烏瓜の蔓(つる)が絡みつき、その上部付近から小玉の烏瓜が幾つもぶら下がり、まっ赤に色づいていた。大和から紀州を経て紀伊水道にそそぐ紀の川沿いでは、妹背山が霞んでいる。大空では、烏瓜が欲しいのか、1羽の鳶(とび)が幾つもの大きな輪を描いていた。

このフルーツラインは、橋本市の京奈和自動車道橋本ICから紀の川・橋本高野橋を経て、

紀伊山地の山腹沿いを世界遺産である高野山や、神仏習合の丹生都比売(にうつひめ)神社などにつながり、今は和歌山城や和歌浦湾にも行きやすくなっている。

とくに土・日・祝日は、マイカーによる高野山、丹生都比売神社の参拝・観光客が増加。

沿道の産直市場「くにぎ広場」(トイレ・駐車場付き)では、大勢の家族連れや若者たちがゆったり飲食・休憩して、野菜・果物などの土産物選びも楽しんでいる。

[季語。烏瓜の俳句15句紹介]

うれしさもこどものくれしからすうり(森澄雄)

かなしけれ一つ並びに烏瓜(中村汀女)

しくるゝやいつまで赤き烏瓜(正岡子規)

ぶらさがつてゐる烏瓜は二つ(種田山頭火)

何ごともなき日の暮の烏瓜( 岸田稚魚)

只一つ高きところに烏瓜(正岡子規)

山の間を雁の渡りし烏瓜(森澄雄)

暮れかけて遠嶺くつきり烏瓜(加藤秋邨)

烏瓜われに顔あるめでたさよ(岡井省二 )

烏瓜一夜の顔のありにけり(岡井省二)

烏瓜氏神様のなつかしや(阿波野青畝)

烏瓜言葉何やら聞きもらし(中村汀女)

烏瓜赤き日向の山へゆく(森澄雄)

竹藪に一つる重し烏瓜(正岡子規)

近づいてみて見失ふ烏瓜(稲畑汀子)

写真(上)は遥かに見える紀の川沿いの妹背山。写真(中)は紀の川フルーツライン沿いの山腹で色づいた烏瓜。写真(下)は葛城・金剛連峰の空から波のように寄せてくる秋の雲


更新日:2023年9月27日 水曜日 21:01

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