ニュース & 話題

橙色の凌霄花(のうぜんかずら)に涼風、夏から秋へ刻々と♡橋本の旧・大和街道の高台風景

台風13号が北北東にそれた9月7日、和歌山県橋本市野の旧・大和街道沿いの高台では、凌霄花(のうぜんかずら)が涼風に吹かれ、雲間から青空もひろがり、残暑とはいえ、心地よい初秋を感じさせた。

この高台には一言主(ひとことぬし)神社の末社・鈴鹿(すずか)神社があり、戦国時代の銭坂城(ぜんざかじょう)跡もある。同街道沿いでは、若々しい凌霄花の木に橙(だいだい)色の花々が咲いている。

眼下では市街地の観光ホテルや、商店・民家が眩いばかり。南には国城山や紀の川がかすみ、流域の田畑では稲穂が色づいている。

フォトライター・北森久雄(きもり・ひさお)さんは「この高台からの四季の風景は最高です。とくに橋本・紀の川の打ち上げ花火は、鈴鹿神社からの眺めが素晴らしいですよ」と話していた。

[季語・凌霄花の俳句22句紹介]

 

凌霄は妻恋ふ真昼のシャンデリヤ(中村草田男

 

凌霄の花に蝉鳴く真昼哉(正岡子規)

 

名も知らぬ木に凌霄のさかり哉(正岡子規)

 

この庵の尼の住まへる凌霄花(森澄雄)

 

蜩といまのうぜんの遊び蔓(大野林火)

 

櫛のみね光らせ農婦のうぜんに(大野林火)

 

凌霄花したたか浴びし朝雫(能村登四郎)

 

凌霄花の咲き垂れし門父母います(加藤秋邨)

 

のうぜんや道尋ぬるに煙草買ふ(森澄雄)

 

凌霄や温泉の宿の裏二階 (正岡子規)

 

凌霄花や思ひのいつか丈となり( 鷹羽狩行)

 

廃屋と見えて凌霄の残り花(能村登四郎)

 

松高き限りを凌霄咲きのぼる( 橋本多佳子)

 

のうぜんやけふ荒海の一とたひら(森澄雄)

 

凌霄の花に蝉鳴く真昼哉(正岡子規)

 

凌霄の高きより垂れ御師の家(能村登四郎)

 

旅に遭ふ岬のまつり凌霄花( 能村登四郎)

 

蜩といまのうぜんの遊び蔓 (大野林火)

 

凌霄花の朱に散り浮く草むらに( 杉田久女)

 

塵とりに凌霄の花と塵すこし( 高野素十)

 

松高き限りを凌霄咲きのぼる (橋本多佳子)

 

凌霄の蟻を落して風過ぎぬ( 稲畑汀子)

 

写真は橋本市野の鈴鹿神社近くの旧・大和街道沿いに咲いた凌霄花。


更新日:2023年9月7日 木曜日 23:29

関連記事

ページの先頭に戻る

  • 標準
  • 大
  • RSS
  • サイトマップ

検索

過去の記事