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無数の卯の花咲いて、小滝もしぶき上げ♡高野山麓・玉川峡谷の新緑清流~黄砂など祓い清める

中国から黄砂が飛来した5月22日、和歌山県橋本・伊都地方の山々は白っぽく霞んだが、橋本・九度山両市町の玉川峡=紀伊丹生(きいにうかわ)=は、豊かな新緑におおわれ、峡谷では真っ白い卯の花が無数に咲いて、まるで玉川峡に流れ落ちる滝水のよう。

玉川峡も上流の五光の滝などの清流が岩瀬に砕けて波立ち、黄砂など微塵も感じられない神々しさ。川原の処々では家族連れや、若いカップルらが、テント張りで飲食会話を楽しんでいた。

この綺麗な花は旧暦・卯月(うづき=4月)、今で言うと5~6月に咲くので卯の花、茎が空洞なので空木(うつぎ)の花とも呼ばれ、「夏は来ぬ」の唱歌などで人々に知られ愛されている。

この日、高野山麓・紀の川流域のまちは、やや蒸し暑かったが、玉川峡谷では涼風が川面を渡る。上流の「やどり温泉いやしの湯」近くの修験者の行場「五光の滝」の瀑布は、すぐ下の小滝を経て玉川峡谷に注ぎ、その水は名勝・玉川四十八石に砕け、白波立ちながら紀の川に注いでいた。

 

[季語・卯の花の俳句17句紹介]

卯の花に白波さわぐ山路哉(正岡子規)

卯の花に経よむ声のなまめかし(正岡子規)

卯の花のころや沖には鰹潮(森澄雄)

卯の花や縦一文字ほとの神(森澄雄)

卯の花にみちのくの深すぎるなり(岡井省二)

卯の花の山ゆく旅はうつつかな(岡井省二)

ひと日臥し卯の花腐し美しや(橋本多佳子)

卯の花や患者われらの森の道(石田波郷)

卯の花や一握となる洗ひ髪(鷲谷七菜子)

卯の花や兄の書斎に一日ゐて(山口青邨)

卯の花や雨夜の月は傾きぬ(正岡子規)

卯の花腐し分秒刻む夜なりけり(中村汀女)

卯の花腐し君出棺の刻と思ふ(石田波郷)

卯の花腐し天草干しし浜辺にも(細見綾子)

昼酒の人と卯の花くたしかな(村山故郷)

淡海より京へ卯の花蝉丸忌(森澄雄)

写真(上)は玉川峡谷に咲いた卯の花。写真(中)は五光の滝の下から玉川峡へそそぐ小滝。写真(下)は玉川峡谷でしぶきを上げる初夏の清流。


更新日:2023年5月22日 月曜日 22:21

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