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緑風にそよぐシャガ&ツツジの花々空海の合掌した橋本・国城山~JR・南海橋本駅周辺の風景も清々しく
弘法大師・空海が、高野山往来の途中、必ず合掌したと伝えられる和歌山県橋本市西畑の国城山(くにぎさん)は、空一面晴れわたった5月12日、山頂付近は新緑に包まれ、時折、緑風が吹いて、木陰に咲く真っ白なシャガ(著莪)の花も、真紅のツツジ(躑躅)も、山麓では見られない清々しい輝きを放った。
この国城山(標高552メートル)は、征夷大将軍・坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ=758~811)ゆかりの聖山で、山頂の国城神社は八幡(はちまん)大明神、天照大神(てんしょうだいじん)、荒神(こうじん)、春日(かすが)大明神、愛宕(あたご)大明神の「五社(ごしゃ)」を祀っている。
郷土伝説によると、弘法大師・空海が橋本の賢堂と高野山を結ぶ世界遺産・黒河道(くろこみち)を往来した際、今は「明神ケ田和(みょうじんがたわ)」と呼ばれている峠(標高約400メートル)で立ち止まり、酉(とり=西)の方角にある国城神社を仰いで、手を合わせたと伝えられている。
この日、国城神社周辺は新緑の木々に包まれ、山肌はシャガ(著莪)の花でいっぱい。その名も胡蝶花(こちょうか)とよばれる通り、まるで胡蝶の群れが飛翔するような景色で、近くでは真紅のツツジが葉陰から漏れる眩い陽光を浴びていた。
山頂付近から南を望むと、葛城・金剛の峰々が連なり、JR・南海橋本駅や紀の川・橋本橋、
流域のまち並みが見える。
今年も山登りの楽しい季節。健脚のハイカーらは国城神社へ参拝。緑風を楽しむことになりそう。
国城山への登山ルートは、南海和歌山線・紀伊清水駅付近から登る市道・清水~西畑線と、同市賢堂の定福寺(じょうふくじ)付近から登る市道・賢堂~国城山線がある。
写真(上、中)は国城神社近くに咲いたシャガの花やツツジ。写真(下)は国城山の山頂付近から眺めた紀の川・橋本橋やJR・南海橋本駅、橋本高校などの風景。