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大天狗など渡御行列あざやか♡丹生都比売神社の花盛祭~丹生宮司、世界の人々の安寧祈る
和歌山県かつらぎ町上天野の世界遺産「丹生都比売(にうつひめ)神社」=丹生晃一(にう・こういち)宮司=で4月9日、祭神に花を供えて春の訪れを祝う「花盛祭(はなもりさい)」が開かれた。
同神社は1700年以上前の創建で、主祭神は天照大御神(あまてらすおおみのかみ)の妹神・丹生都比売大神。創建から約500年後の弘仁7年(816)には、弘法大師・空海が同神社の神領・高野山を拝領して、高野山を開創した「神仏融合」初の神社という。
この日は、春光まばゆく風も穏やかで、弁柄色の大鳥居~楼門の参道沿いに並ぶ竹筒には、室町時代の「天野の里」の絵巻物にある真っ赤なバラなどが活けられ、あたりは参拝・観光客で鈴なり。
午前は丹生宮司が本殿で祝詞(のりと)を奏上。午後は名高い「渡御(とぎょ)の儀」が行われた。この神事は昔、神輿(みこし)行列が、遥か和歌山市和歌浦の玉津嶋(たまつしま)神社まで巡行した「浜降り神事(はまくだりしんじ)」である。
天野の里では「渡御の儀」として伝承され、過去幾度か中断したが、平成元年(1989)には地元住民の協力で復興。コロナ禍時期を除いては続けられている。
今回の「渡御の儀」でも、真っ赤な天狗の面をかぶり、一枚歯の高下駄をはいた大天狗を先頭に、神玉や剣、弓矢を持った狩衣(かりぎぬ)姿の人など、大勢の行列がうやうやしく楼門を出発。春風に吹かれながら、華やかに鏡池の輪橋(りんきょう)を渡った。
丹生宮司は、輪橋たもとの壇上に着座して、和歌浦・玉津嶋神社の方角に向かって、うやうやしく祝詞を奏上、後ろに立ち並ぶ大天狗や、狩衣姿の人たちと共に拝礼して、世界の人々の安寧(あんねい)を祈った。
参道沿いや池のほとりで、鈴なりの家族連れらは、必至でスマホ撮影しながら、「この渡御の儀はとても素晴らしい。来年も友人・知人を連れてきたい」と話していた。
写真(上)は大天狗を先頭に同神社・鏡池の輪橋を渡る渡御行列。写真(中)は輪橋たもとの壇から玉津嶋神社・方向に祝詞を奏上する丹生宮司。写真(下)は輪橋のたもとに立つ大天狗と彼方から渡ってくる渡御行列。