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「松の三つ葉、ほら拾ったよ」家族連れら大喜び♡高野山で人気の三鈷の松~万民の幸せ祈る

弘法大師・空海が開いた和歌山県高野町の高野山真言宗総本山・金剛峯寺―。その壇上伽藍(だんじょうがらん)に立つ、空海ゆかりの「三鈷(さんこ)の松」が参拝・観光客の心を和ませている。

金剛峯寺によると弘法大師・空海は、中国(唐)で恵果(けいか)阿闍梨(あじゃり)から、密教の奥義を伝授。「密教道場を開きたい」という一心で、恵果(阿闍梨(あじゃり)から授かった仏具・三鈷杵(さんこしょ)を東の空に投げた。

帰国後、丹生都比売(にうつひめ)神社の狩場明神(かりばみょうじん)の犬2匹の案内で、その三鈷杵が高野山の松が枝に掛かっているのを発見、高野山開創に至ったと伝わる。

壇上伽藍・御供所によると、「三鈷の松」は昔から壇上伽藍にあったが、今の松(樹高約15メ―トル)は、中国原産の白松(はくしょう)で約200年前に植栽。その松陰に落ちた三つ葉(針葉3本)を拾うと、「四つ葉のクローバー」と同じく、「幸せになれる」という民間信仰が生まれている。

新型コロナ禍で、この3年間は高野山・壇上伽藍も奥の院も、参拝・観光客の姿はまばらだったが、今年3月初旬からは、少しずつ復活、国内外から多くの参拝・観光客が訪れている。

今年3月5日は、高野山・奥の院物語「お照の一灯」のオペラ公演があり、同7日は弘法大師・空海の御名代・添田隆昭(そえだ・りゅうしょう)大僧正の法印就任・転衣式(てんねしき)、同9日は高野山金剛峯寺の長谷部真道(はせべ・しんどう)座主・管長就任の晋山式(しんざんしき)、同11日は東日本大震災13回忌法要が営まれた。

そんな日に運よく「三鈷の松」の三つ葉を拾った参拝・観光客は、自分の幸せだけではなく、高僧の御就任祝いと共に、犠牲者の冥福・万民の幸せを祈っていた。

写真(上、下)は見事、児童の拾った松の三つ葉。写真(中)は高野山・壇上伽藍の三鈷の松と朱色の根本大塔。


更新日:2023年3月13日 月曜日 21:36

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