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枯蓮、斑雪におおわれ、夏の花蓮が夢のよう♡歳末の橋本・真土万葉の里~命の尊さしみじみ

万葉人が往来した〝飛び越え石〟で名高い、和歌山県橋本市隅田町真土の「真土万葉の里」の蓮池は12月24日、すべて枯蓮(かれはちす)となり、今年・盆前に咲いた紅白の花蓮(はなはちす)の世界がまるで夢のよう。しかも蓮池は、前日の斑雪(まだらゆき)におおわれていて、時の流れの早さ、命の尊さを感じさせていた。

〝飛び越え石〟は紀州と大和の境界を流れる落合川にあり、両岸から巨石が2つ並んでいる。万葉古道を往来する旅人が、どんどん水流を飛び越えていたらしい。万葉人は「白栲(しろたえ)に にほふ信土(まつち)の 山川(やまがわ)に わが馬なづむ 家恋ふらしも」(作者未詳=信土山の川で私の乗る馬が行き悩んでいる。家人が私を思っているらしい)と詠んでいる。この歌を愛する和歌山の画家・雑賀紀光(さいか・きこう)さん(故人)はスケッチ画を描き、その看板は蓮池近くに建っている。

 

真土の蓮池は、大和から紀州へ飛び越えた川の右岸にあり、地元有志が10数年前、奈良県御所市の寺院から譲られた大賀ハス(古代の実から発芽・開花したハス)を植栽、丹精込めて育てており、毎年7・8月には神々しく開花。家族連れや職場グループらを楽しませている。

この日、〝飛び越え石〟の斑雪は、竹林の雨しずくを浴びて溶けていたが、蓮池は斑雪におおわれ、寒風が吹き荒んでいた。休憩所の机上のノートには、この夏、人々が花蓮に感激したことなどを記帳。12月には「飛び越え石 流れる水の音に 心いやされました」「こんなに和歌山と奈良が行き来できるとは知りませんでした」などと記述。来年もこの歴史的舞台で、四季の花々を楽しむことになりそう。

写真()は斑雪におおわれた真土万葉の里の枯蓮。写真()は今年盆前に咲いた白い大賀ハス。写真()は万葉の〝飛び越え石〟の一風景を思い描いた雑賀紀光さんのスケッチ画。


更新日:2022年12月24日 土曜日 18:25

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