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ぐっとにらむ「鬼の舞」3年ぶり奉納♡子どもたち泣いて力強く~九度山の椎出厳島神社
和歌山県九度山町の椎出厳島(しいでいつくしま)神社で8月16日、南北朝時代から続く伝統神事「椎出鬼の舞」(県指定無形民俗文化財)が3年ぶりに奉納され、親子連れや大勢の観光客でにぎわった。
この「鬼の舞」は五穀豊穣(ほうじょう)、雨乞い、悪疫祓いなどを祈願する神事。
赤くて長い髪の鬼は、午後5時過ぎ、近くの地蔵寺から、色鮮やかな百日紅(さるすべり)が満開の同神社境内に登場。笛太鼓の音色に合わせて、長い棒を振り回して踊ったり、高く跳びあがったり。
境内は子どもを抱いた親御さんたちでいっぱい。例年なら鬼は、子どもの目鼻口まで接近して泣かせるが、今回はコロナ禍のため、やや距離を置いて、棒で頭を撫でたり、噛むぞとにらみつけたり。
それでも、子どもたちはお母さんの肩にしがみついて、激しく泣き出す。よく見ると鬼はむしろ微笑んでおり、子どもたちは、すぐに泣き止んで、鬼の顔を見直していた。
親御さんは「あの鬼の顔はいい思い出に。きょう泣いたことで、より力強く育ってくれる」と話していた。
写真(上、中)は鬼ににらまれて、お母さんの肩にしがみついて泣く子ども。写真(下)は百日紅の下で繰りひろげられる鬼の舞
更新日:2022年8月16日 火曜日 23:09