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清らか桐の花、大雨の中♡GW初日〜紀北3市町・紀の川フルーツライン沿い
和歌山県紀北地方は、大型連休(GW)初日の4月29日、土砂降りの雨が降り、紀の川フルーツライン(広域農道)沿いの山腹では、満開の桐の花がびしょ濡れになりながらも、雨雲に霞む山河を背景に、清らかな彩色を放ち続けた。
橋本・九度山・かつらぎ1市3町の同ライン沿いの山腹は、余すことなく新緑におおわれ、随所で桐の高木がそそり立ち、薄紫の筒状の花から、無数の雨粒が滴り落ちて、平安時代の神々しさを放っている。
とくに遥か西方の紀の川下流では、〝雨雲の橋〟が架かり、その右岸では、万葉人に愛された妹背山(いもせやま)が霞んでいた。
同ラインは大阪・奈良方面から高野山真言宗総本山・金剛峯寺や、神仏習合の丹生都比売(にうつひめ)神社への便利なルートだが、この日は悪天候のため、車やオートバイはほとんど見られなかった。
天候さえ回復すれば、多くの参拝・観光客が初夏の自然を楽しむに違いない。
[季語・桐の花の俳句5句紹介]
こころひもじき月日の中に桐咲きぬ(大野林火)
桐の花妻の齢の白縮(森澄雄)
桐の花妻に一度の衣も買はず(中村草田男)
妻の手の濯ぎあからむ桐の花(能村登四郎)
桐咲いてねぶたき昼をねるばかり(村山故郷)
写真(上、下)は紀の川フルーツライン沿いの山腹に咲いた桐の花。写真(中)は雨雲に覆われた紀の川と妹背山。
更新日:2022年4月29日 金曜日 22:12