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国の「つなぐ棚田遺産」に橋本「芋谷の棚田」など選定〜ふるさとの誇りを未来へ
日本の原風景を感じさせる、和歌山県橋本市柱本の「芋谷の棚田(いもだにのたなだ)」が、国の「つなぐ棚田遺産〜ふるさとの誇りを未来へ」に選定された。同市農林振興課は3月18日、近く農林水産省の認定証授与式(オンライン方式)を開催すると発表した。
「芋谷の棚田」は、大阪・和歌山の両府県境の南側で、室町時代の人々が開拓・構築した約6ヘクタール。
保全団体の柱本地域棚田協議会=嶋鎌三(しま・けんぞう)会長=は、これまで地元の小学校や幼稚園と連携した田植えや収穫体験授業、自然観察会、地域住民を対象とした棚田ツアーなど環境教育、棚田オーナー制による棚田に関わる人口増、地域特産品の里芋、白ゴマなど高野山麓精進野菜としてのブランド化に努め、棚田での収穫米を学校給食米に使うことで耕作放棄地を復旧、放棄面積を減らし、中学校での出前授業も実施。
地元農家は、芋谷川のほとりの樹齢約100年のヒノキを剪定。綺麗なヒノキと棚田風景は都市部などから訪れる人々を「日本の原風景」と感動させている。
国の選定基準は▽積極的な維持・保全に取り組み、今後も継承見込みがあること▽農産物の供給の促進▽国土の保全、水源の涵養(かんよう)▽自然環境の保全▽良好な景観形成▽伝統文化の継承棚田を核とした地域振興などで、芋谷の棚田が選定された。
県内の他の選定地区は有田川町の「上湯・あらぎ島」、同「久野原の棚田」、同「杉野原の棚田」、同「沼の棚田・段々畑」同、沼谷「天空の棚田」、紀美野町の「中田の棚田」、那智勝浦町の「色川の棚田群」。
橋本市での認定授与式は、市議会議長室で、市長や議長、伊都振興局長、嶋鎌三(しま・けんぞう)会長、大原一志(おおはら・かずし)副会長らが出席する予定。
写真(上)は国の「つなぐ棚田遺産〜ふるさとの誇りを未来へ」に選定された橋本市の「芋谷の棚田」。写真(中)は柱本小学校の子供たちの田植え体験風景。写真(下)は芋谷の棚田を潤す芋谷川のほとりで綺麗に剪定された樹齢約100年のヒノキと棚田風景。