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丹生明神坐像、貴重な作例♡九度山町文化財に指定
和歌山県九度山町教育委員会は3月25日、同町丹生川580の丹生神社(にうじんじゃ)に祀られていた、木造丹生明神坐像と台座・後屏(ごびょう)、厨子(ずし)を同町指定文化財に指定したと発表した。
丹生神社は同町東端の紀伊丹生川の右岸にあり、町教委によると弘仁7年(816)の創建と伝わるが、沿革は明らかでない。
木造丹生明神坐像(高さ39・4センチ)は、麗しい寄木造で、頭や胸には鳳凰(ほうおう)などの飾り金具を装い、畳の台座に鎮座。後ろには金地に桐絵の後屏が立つ。
同神社に伝来する貞享3年(1686)の「丹生川邑丹生津姫大明神縁起」によると、この年に社殿が造営されており、同時に木造丹生明神坐像も像造されたと推定されている。
伊都振興局で町教委の山本新平(やまもと・しんぺい)社会教育指導員と杉村幸祐(すぎむら・こうすけ)主事は「比較的に大型で、優れた出来映え。保存状態もいい」と説明。
とくに「高野山文化圏での、丹生明神像の造形化と、祭祀形態を考えるうえで、誠に貴重な作例である」と語っている。
木造丹生明神坐像は現在、和歌山県立博物館へ寄託。これで同町指定文化財は計47件となった。
写真(上)は木造丹生明神坐像。写真(中)は台座・後屏。写真(下)は台座・後屏に鎮座する木造丹生明神坐像。
更新日:2021年3月26日 金曜日 00:00