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高野の花たち(243)香りの強いナギナタコウジュ
ナギナタコウジュ(薙刀香薷)は山地に生えるシソ科ナギナタコウジュ属の一年草です。
高さ30~60センチ、茎はやや細く四角形で枝を多くつけ、軟毛がまばらにあって、全体に強い香りがあります。
葉は対生して柄があり、長卵形で長さ3~9センチ、幅1~5センチ、縁には鋸葉があります。
9~10月頃、枝の先に薙刀のように片方に反り返った長さ5~10センチの花穂をつけて、紅紫色の小さな花を密につけます。
花序の背中側には、卵円形の縁に短毛のある苞が行儀よく2列に並んで花を支えています。花穂が薙刀状に反り返ることからこの名がつきました。
1年草なので種子で繁殖し、冬は根ごと枯れてしまいます。香薷(こうじゅ)は漢方の生薬名で、秋に花が咲いて植物のいちばん勢いのある時に茎葉を採取、陰干しして乾燥させます。
煎じるときは5~10グラムを一日3回に分けて冷やしてから服用します。解熱、利尿、発汗の効能があり、風邪、全身浮腫、下痢などに用います。
高野山の光の滝近くの斜面でよく見かけるナギナタコウジュ。花言葉は「匂いたつ魅力」です。(TとTA記)
更新日:2020年10月16日 金曜日 22:35