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橋本市民狂言、植村兄弟ら名演♪こどもらも笑い呼ぶ
日本の伝統芸能をアマチュアが演じる「橋本市民狂言」が、和歌山県橋本市の市民民会館大ホールで開かれ、約250人の観客がユーモアあふれる狂言を楽しんだ。
橋本狂言会=後藤加寿恵(ごとう・かずえ)会長=が主催。橋本市と同市教育委員会が共催、プロの大和座狂言事務所が協力した。
橋本狂言会の初代会長は、後藤会長の夫・光基(みつき)さん(故人)で、平成3年(1991)に「紀ノ川市民狂言」を開催。同24年(2012)には「橋本市民狂言」と改称し、今回で29回目の開演となる。
今回、第1部は、こども狂言教室のメンバー9人が4演目に出演、後藤会長の孫娘で小学2年の紗矢子(さやこ)さんも初登場し、「痺(しびり)」の太郎冠者を可愛く演じると、会場は笑顔でいっぱい。
第2部は、大和座狂言事務所の安東元(あんどう・げん)さんら3人が「蝸牛(かぎゅう)」を披露。第3部は「神鳴(かみなり)」で、FMはしもと報道部長の中野豊信(なかの・とよのぶ)さんが雷(かみなり)、久保綾耶華(くぼ・あやか)さんが医者を熱演。雲間から落ちて腰を痛め、通りがかりの医師に注射されて暴れ回る雷の姿に、爆笑が起きていた。
最後に、狂言を次世代に伝える「こども狂言教室」で、15年前から学んできた植村和明(うえむら・かずあき)さん・英明(ひであき)さん兄弟が、演目「末広がり」でトリを務めた。
果報者を和明さん、太郎冠者を英明さん、スッパを大居満佐子(おおい・みさこ)さん、アシライを不動泰孝(ふどう・やすたか)さんが演じ、古い傘を開いたり閉じたり、笛によるお囃子が流れてきたり。客席から大きな笑いと拍手を浴びていた。
令和3年(2021)10月30日(土)~11月21日(日)には第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会が開かれる。
後藤会長は主催者挨拶で植村兄弟の成長を喜ぶとともに、「国民文化祭では橋本市民狂言をぜひ披露したい。皆様、ご覧くださいね」と呼びかけていた。
「こども狂言教室」(公益財団法人・文化スポーツ振興公社主催)では受講生を募集。問い合わせは同振興公社(電話0736・33・6108)へ。
写真(上)は「末広がり」でトリを務めた植村さん兄弟。写真(中)は「神鳴」で雷を演じる中野さんと医者の久保さん。写真(下)はこども狂言で「痺」太郎冠者として初出演した後藤さん。