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高野の花たち(228)お正月の縁起物マンリョウ
マンリョウ(万両)はヤブコウジ科(またはサクラソウ科)ヤブコウジ属の常緑の小低木。東北地方南部以西の本州から四国・九州・東南アジアにかけて広く分布しており、野山の樹林の中に自生しています。
樹高は30センチ~1メートルほど。葉は互生で肉質が厚く形は長楕円形で、縁は鋸葉。葉の多くは幹の上部に傘状についています。
7~8月頃に小枝の先に、細かく花柄を分けて、1センチほどの白い芳香のある花を多数咲かせます。花は深く5裂し、基部で1つに繋がり、1本の花柱(雌しべ)を5本の雄しべが囲んでいます。
11月頃から冬にかけて、緑色の小さな実は光沢のある赤色へと熟していきます。実は葉の下方に付きます。実には白色のものもあります。
万両とよく似ている植物に「千両」があり、両者の名前の付け方が面白いです。一方は、樹形は根元から1本ずつ分かれていて細く、葉の上に実がつくので実の数が少なく軽い。一方の樹形が1本立ちで、しっかりしており、葉の下に実が付くので多くて重い…という発想から、前者を「千両」、後者を「万両」としたようです。
どちらも正月にかけて実が赤く熟すので「お正月の縁起物」として江戸時代から広く使われ愛されてきました。花言葉は「慶祝」「徳のある人」などです。
花は丹生都比売神社の石灯籠のそばに、赤い実は天野の里にあったものです。
(K記)
更新日:2020年1月16日 木曜日 21:46