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甘熟・富有柿「夢」出荷へ♪うまいよ~九度山の農家
富有柿(ふゆうがき)の最高級品とされる甘熟柿(あまじゅくがき)「夢(ゆめ)」の選果作業が12月3日、その本場である和歌山県九度山町のJA紀北かわかみ・マルい選果場で始まった。4日から大阪市の卸売市場へ出荷、セリにかけられた後、5日から大阪の有名デパートで販売される。
この富有柿は、同町内の23軒の農家が、今年8月中旬から、柿玉一つ一つに雨をはじいて通気性のいい紙袋をかぶせ、やさしく甘熟させてきた。
この日、JA職員らは収穫した富有柿から、優良なを柿を選別し、センサーで糖度や玉太り具合を識別。さらに職員の眼力で色づき状態などを見極め、最高級品の「夢」と、それに次ぐ「希(のぞみ)」を厳選した。
逸品「夢」は糖度18度以上で、果頂部(かちょうぶ)が丸みを帯びて艶(つや)があり、単なる熟柿(じゅくし)と違って歯触(はざわ)りがよい。「希(のぞみ)」も「夢」に近い美味しさで、東京方面の卸売市場に出荷、デパートで販売される。
同JAではこれまで「夢」(1箱約6~8個入り)を出荷し、1ケース30000円(御祝儀相場)という高値で競り落とされたこともある。JA紀北かわかみでは店頭販売価格について、「1箱1万5000円前後になるのでは」とみている。
この選果作業開始の朝、JAのイメージキャラクター「かきたん」が登場して記念撮影。職員らは「この夏は暑さ続きで完熟ぶりを心配したが、ここ1週間の冷え込みで、富有柿は見事に色づき、玉太りも糖度も、すべて良好です」とにっこり。
同選果場・甘熟富有柿部会の中谷裕一(なかたに・ゆういち)部会長は、「私たちの富有柿のおいしさは、〝うまい〟という言葉だけではなく、5年前からセンサーを使って、糖度や玉太りデータなどを正確に測定し、今は裏付けのある形で、最高級品を出荷しています」と話していた。
写真(上)は甘熟富有柿「夢」をアピールする「かきたん」と中谷・部会長=向かって左=ら。写真(中)は箱詰めされた甘熟・富有柿「夢」の輝き。写真(下)は選果場に飾られた「かきたん」と富有柿「夢」「希」。