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高野の花たち(218)慈悲が花言葉のミソハギ
ミソハギ(禊萩)はミソハギ科ミソハギ属で、7~9月にかけて、日本各地の山地や野原の湿地に自生する多年草です。
花は紅紫色で、夏に茎の上部にある葉のつけ根に3~5個集まり、穂状に咲きます。花は直径1・5センチほどで、花弁は主に6枚で、花びらにはシワがあります。
顎は筒形で、上部が6つに裂けています。葉は十字に対生し、細長い卵形で小さく、濃い緑色です。茎は直立し、株元は少し木質化していて、細い地下茎を伸ばして群生します。
昔、お盆に先祖の霊を迎えるとき、精霊棚の供物に水で濡らしたミソハギを振り、雫で供え物を浄め「禊」としました。その慣わしは今日まで続いていて、ミソハギはお盆に欠かせない花として、畑や田んぼの溝、小川などで植栽されています。
私の出身地、鳥取市河原町では、2本のミソハギの茎を半紙の短冊で巻き、他の供物と蓮の葉にのせ、お墓にお供えしていました。
多くの精霊が集まっている高野山には、ふさわしい花かも知れません。愛する人や親しい人を偲んで迎えるお盆の花なので、花言葉は「悲哀」とか「慈悲」といった、しみじみとした言葉になっています。 (K記)
更新日:2019年9月1日 日曜日 23:47