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応其寺で〝灯籠流し〟法要♪台風対応~50人焼香

和歌山県橋本市の令和元年初の「橋本灯籠(とうろう)流し」は、8月15日、大型台風10号に対応して、灯籠を橋本川に流さず、同市橋本の高野山真言宗・応其寺(おうごじ)の上人堂・祭壇に飾り、僧侶が読経、檀家らが焼香して先祖供養した。
応其寺は木喰応其上人(もくじきおうごしょうにん=1536~1608)が開基した名刹(めいさつ)。上人は豊臣秀吉の高野山攻めを防ぎ、金剛峯寺再興など尽力。紀の川・架橋で「橋本」の地名となり、秀吉の許諾を得て塩市・舟運を開き、橋本繁栄の基礎を築いた。
この日午後2時から、主催者である同寺の松井孝憲(まつい・こうけん)副住職と、同市東家の高野山真言宗・観音寺の柿内諦光(かきうち・たいこう)住職が、橋本川・古東橋たもとの親水堤(しんすいてい)で、水塔婆(みずとうば)を立てて流水灌頂(るすいかんじょう)し、水死者や難産死の女性、無縁仏などを供養した。
午後7時からは、応其上人堂(約60畳)の祭壇に灯籠約300数十基を祀り、柿内住職、松井副住職と同市菖蒲谷の普賢寺(ふげんじ)の平田一成(ひらた・いっせい)住職の3人が読経。参列した檀家ら約50人が焼香・合掌して、ご先祖に感謝した。
橋本の灯籠流しは戦後の「紀の川祭り」の最大の目玉だったが、平成末期に「サマーボール」に変ってから途絶えた。
観音寺と応其寺、市民有志が人々の心情を受け止め、改めて「橋本灯籠流し」を開催、今年で5回目となる。
幸い同夜は、雨も小降りだったが、傘をさして訪れた家族連れらは、祭壇に並んだ灯籠の美しさにうっとり。「橋本川を流れる、あの灯籠を思いながら、手を合わせた」「上人堂で先祖供養できてよかった」と喜んでいた。
写真(上)は応其寺の上人堂に並んだ灯籠の数々。写真(中)は祭壇前で読経する僧侶3人と焼香する女性たち。写真(下)は橋本川・親水堤で流水灌頂する松井・応其寺副住職と柿内・観音寺住職。


更新日:2019年8月16日 金曜日 00:02

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