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高野山・無縁仏に前垂れ♪犬飼山転法輪寺の信徒たち

弘法大師空海が開いた霊場・高野山(和歌山県高野町)発祥の寺として知られる、犬飼山転法輪寺(いぬかいさん・てんぽうりんじ=奈良県五條市)の信徒ら25人は、7月30日、高野山・奥の院の無縁仏約900基の前垂れを新しく掛け替えた。
犬飼山転法輪寺は、弘法大師・空海を高野山へ導いた狩場(かりば)明神を祀る名刹。この日、桑山慈紹(くわやま・じしょう)住職の妻・恵光(けいこう)さんが、信徒20数人とともに高野山・奥の院の一の橋に集合。大師入定(にゅうじょう)の御廟(ごびょう)に向かって読経した。
奥の院には1000年杉の生い茂る参道周辺に、20万基超とされる諸大名の墓石や祈念碑、慰霊碑などが林立。その外側や杉の根元には、無数の無縁仏が並び、御廟橋近くではピラミッド状に安置されている。
この日、信徒らは自分たち、または福祉施設の高齢者らが、手作りの前垂れ約900枚を持参。5班に分かれて一の橋を出発し、参道沿いの墓地わきや杉の根の洞穴、古い切株などに立ち並ぶ無縁仏の前で立ち止まる。
信徒らは「おん かかかび さんまえい そわか」とお地蔵さまの真言を唱えた後、無縁仏の頭や胸、お腹などを布で丁寧に拭いたうえ、新しい前垂れをかけて合掌し、今は縁者の途絶えた人々の御冥福を祈った。
1000年杉の下はほとんど日陰だが、時折、蝉の声とともに木漏れ日があり、さっと無縁仏を照らす。真っ赤な前垂れが際立つと、その表情さえうるむように見える。
参拝・観光客の中には欧米人が多く、信徒たちのひた向きな姿を眺める。恵光さんらは出会った人々に、用意した団扇(うちわ)やポストカード計600枚をプレゼントして、高野山の心地よさを伝えていた。
写真(上)は新しい前垂れを掛けてもらう高野山・奥の院の無縁仏。写真(中)は1000年杉の根元の洞穴で真っ赤な前垂れの輝く無縁仏。写真(下)は無縁仏の埃(ほこり)を拭う女性信徒。


更新日:2019年7月31日 水曜日 00:04

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