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高野の花たち(211)憂さも忘却、ヤブカンゾウ

ヤブカンゾウ(薮萱草)はユリ科ワスレグサ属で夏の花です。古い時代に中国から渡来したといわれています。
野原や堤、林のふちに生える多年草です。茎は直立し、先で分枝します。葉は広めの線形で、長さ40~60センチ、多数が左右2列になっています。
直立した花茎の先に、8センチほどの橙赤色の花を数個つけます。雄しべと雌しべが花弁化し、八重咲になっているので実はなりません。繁殖は根茎で分裂していきます。一日花です。
日本名の「カンゾウ」は、漢名の「萱草」を日本語読みしたものです。「薮」は、ヤブのような場所に生育するといった意味です。「萱」は屋根を葺くのに使われる「カヤ」などの総称で、細長い葉をもつ植物に使われます。
属名や和名のワスグサは、花のつぼみを調理して食べると、心配事をすべて忘れるほど、おいしいことからきているとか。またその美しい花を見ると、憂さを忘れることからきているといわれています。
花のつぼみを熱湯で湯がいて、天日干ししたものが生薬「金針菜(きんしんさい)」で、利尿などに効果があるとされています。
よく似たノカンゾウは、花が一重咲きなので区別ができます。葉だけの時期には、ノカンゾウの葉の幅が1・5センチと細く、ヤブカンゾウは3センチと幅が広いことで区別できます。
この花は高野町の東細川で見つけ、写したものです。花言葉は「悲しみを忘れる」です。    (Y記)


更新日:2019年7月17日 水曜日 23:16

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