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高野の花たち(210)生薬で渡来トリアシショウマ
トリアシショウマ(鳥足升麻)は、ユキノシタ科チダケサシ属で、山地から高山帯に次ぐ亜高山の林や草地に自生、草丈は40センチほどですが、時には1メートル近くにもなる多年草です。高野山では奥の院参道沿いに咲いていました。
トリアシショウマは茎を斜め上に伸ばし、下から順に上に向かって、数回枝分かれをしながら全体としては円錐形の花序(花の塊)になります。
一つひとつの花は、白色の細長い5弁花で、花茎のまわりにびっしりとつけます。分岐した花茎が更に枝分かれすることと、ボリュームある花穂が垂れるのが特徴です。
小葉は、先が光ったハート形で、不揃いの鋸のような切れこみがあります。小葉は3枚ずつついた枝が3つそろって、一つの葉となります。この小葉3枚ずつついた枝の形が、鳥の足の形に似ていることから「鳥足」の名前になった由来です。
花言葉は「来福」。
「升麻」は、葉が麻に似ているところから、中国で付けられた名で、また生薬として用いられた薬の名でもあります。日本でも古い時代に生薬として渡ってきました。主に別種のサラシナショウマ(晒菜升麻)の根茎を乾かして用いたので、日本の山野のサラシナショウマが激減したそうです。
今も「升麻」の名前で生薬を扱う薬局では市販されていますが、生薬市場に出回る升麻のほとんどは輸入ものだそうです。 (K記)
更新日:2019年7月16日 火曜日 21:39