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怪魚伝説の紀の川見えた♪知縄地蔵堂前の木々伐採
鎌倉時代の「怪魚退治伝説」のある、和歌山県橋本市隅田町中下の知縄地蔵堂(ちなわじぞうどう)周辺は、木々に覆われていたが、このほど地元老人会の会員らが綺麗に伐採し、紀の川や対岸の山々が、心地よく展望できるようになった。この歴史的な舞台は、「市民の祈りと休息、観光コースの一つ」になりそう。
ここ紀の川北岸のお堂には、知縄地蔵尊が祀られ、すぐ脇にもまっ赤な前掛けの小さな石地蔵が並ぶ。お堂の西側には桜の古木、東側には樫(かし)の古木が聳え立ち、厳かな雰囲気が漂っている。
鎌倉幕府5代執権の北條時頼(ほうじょう・ときより)は出家後、諸国行脚(しょこくあんぎゃ)の途中、ここに立ち寄り、紀の川の淵(ふち)に棲む怪魚を退治したという昔話があり、地蔵尊は「知縄」ではなく「血縄」という説もある。
今月初め、中下老人会の上西進(うえにし・すすむ)さんら3人は、お堂前の木々と笹藪(ささやぶ)を切り開いた。今、30数メートル対岸では、とうとうと水が岩々を洗い、川面では大鯉が跳ねたり、鴛鴦(おしどり)が飛び交ったり。
背景には奈良時代の中将姫伝説で名高い「雲雀山(ひばりやま)」が見え、お堂近くの梅畑では、無数の白梅が咲き始めている。
上西さんは「ここは日本の原風景です。多くの皆さまに自然豊かな里をご覧いただこうと、木々を伐採しました。知縄地蔵ご参拝とともに、怪魚伝説の舞台を楽しんでいただければ」と話していた。
写真(上)は中下老人会が知縄地蔵堂前の木々を伐採、紀の川が展望できるようになった。写真(中)は近くの梅畑で咲き始めた白梅。写真(下)は清掃後、知縄地蔵尊に合掌する上西さん。
更新日:2019年2月8日 金曜日 00:00