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玉眼きらり!孔雀明王像~高野山霊宝館で特別展示
美術ファンの希望に応えて、和歌山県高野町の高野山霊宝館は、冬期平常展「密教の美術」で、重文・孔雀明王像(鎌倉時代の仏師・快慶作)を特別展示し、鑑賞者に喜ばれている。前期は~3月3日(日)、後期は同5日(火)~4月14日(日)で、会期中無休。
同館の説明によると、今回は彫刻、絵画、書跡など計約60点を展示。特別展示の「孔雀明王像」は両翼を広げた孔雀の背中に明王が乗った木造作品(総高約230センチ)で、高野山金剛峯寺の所蔵。
孔雀は毒蛇などを食うので、諸毒(しょどく)を祓って、災脳(さいのう)を滅し、安楽を得させる仏様として信仰を集めてきた。「孔雀明王像」は四隅の壇灯(たんどう)に照らされ、結跏趺坐(けっかふざ)した明王の玉眼はきらり、孔雀は瞬時に駆け出し、飛び立つような気配で、金色に輝いている。
この孔雀明王に関連して、大半が金銀文字で書写された国宝「紺紙金銀字一切経」(中尊寺経)のうち、金字のみで記された「大金色孔雀王呪経(だいこんじきくじゃくおうじゅきょう)」(前期)や、孔雀明王坐像を祀る伽藍(がらん)孔雀堂の仏前では、孔雀明王の真言を唱えることと記した「明恵(みょうえ)上人金剛峯寺巡礼次第」(通期)などを出展している。
大阪から訪れた女性は、壇灯に浮かび上がる「孔雀明王像」を見上げて、「なんと素敵、目が光っています」と感動。さらに「紺紙金銀字一切経」の前では「きょうは国宝に出会えてうれしい」と、笑顔で見入っていた。
高野山霊宝館の鳥羽正剛(とば・せいごう)学芸員は「4年ほど前、県外でも孔雀明王像を出展しましたが、その後、とてもリクエストが多かったので今回、孔雀明王に照準を合わせました」と話している。
開館時間は11月~4月=8時30分~午後5時(入館は30分前まで)、5月~10月=午前8時30分~午後5時30分(同)。拝観料は一般600円、高校・大学生350円、小・中学生250円。団体割引あり。
障害者手帳を持っている人(介護者1人を含む)は無料。問い合わせは高野山霊宝館(電話=0736・56・2029)へ。
写真(上、下)は重文「孔雀明王像」。写真(中)は国宝「紺紙金銀字一切経」の中の「大金色孔雀王呪経」
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