ニュース & 話題
ハンデ克服3V児嶋会長♪LB卓球・障害者指導誓う
和歌山県橋本市ラージボール卓球協会の児嶋淳(こじま・じゅん)会長(80)=同市古佐田1丁目=が、第31回「全国ラージボール卓球大会・男子シングルス80の部」で優勝した。児嶋会長は、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしよう)を患い、手術後のリハビリを重ねて、見事ハンデを克服した。橋本市長室で開かれた報告会(同市教委生涯学習課主催)に招かれた児嶋会長は、「連覇への挑戦はもちろん、身体障害者の指導にも励みたい」と元気に語った。
児嶋さんは県立橋本高校・卓球部時代、主将を務め、3年生の時には、和歌山県大会で2位。南海電鉄に入社後、35歳まで同電鉄の卓球部に所属。社内大会シングルスで10年連続優勝を飾った後、仕事に専念した。
ラージボールは直径44ミリで、普通の卓球ボールよりも4ミリ大きい軟式球。ラケットで打ち放たれるスピードは、空気抵抗を大きくうけて、スピードが弱まる。児嶋さんは「これは高齢者に最適」と判断して、定年退職後の平成12年(2000)、地元の卓球愛好家を集めて「橋本市ラージボール協会」を設立。これまでの硬式卓球から、ラージボールに切り替えて練習に励む一方、会員指導に当たった。
68歳の時、練習中に転倒して右肩の筋肉が断裂し、さらに70歳で前立腺がん、喉頭がん手術を受けたが、「全国ラージボール卓球大会」には毎年出場した。
その成績は、同全国大会シングルスで、喉頭がん手術後の70歳、75歳の時に優勝、今回3度目の栄冠に輝いた。
とくに3年前、脊柱管狭窄症の手術を受け、今は右足に力が入らない不自由さにも負けず、80~84歳対象の今大会で、得意の鋭いスマッシュを次々と決めて、3人によるグループリーグと決勝トーナメント計6試合を勝ち抜いた。
橋本市ラージボール卓球協会会員は、計35人(60歳代~80歳代)で、毎週月、水、金曜日に県立橋本体育館や恋野地区公民館で練習している。
すでに「障がい者スポーツ指導員」資格を持つ児嶋会長は、優勝報告会で「今後も日本一を目指しますが、とくに身体障害者の卓球指導に全力を注ぎたい」と、力強く希望を語った。
平木哲朗(ひらき・てつろう)市長は、3度の優勝を讃えるとともに、「児嶋会長のたくましい練習、そして熱心な指導ぶりに驚きます。これからも体力強化と後進の指導、大会連覇を目指してください」と激励していた。
写真(上)は「全国ラージボール卓球大会・男子シングルス」で3度目優勝を飾った児嶋会長。写真(中)は練習に励む橋本市ラージボール卓球協会の会員たち=2013年・撮影。写真(下)は平木市長から称賛・激励される児嶋会長。