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高野の花たち(168)奥の院・参道のワレモコウ

ワレモコウ(割木瓜)は、バラ科ワレモコウ属の多年草で、全国の野山の日当たりのよい草地や高原に自生しています。
高さ70~100センチの茎の中ごろから枝分かれした先に、暗紅紫色の小さな花が集まった、ダンゴのような花穂を作ります。花穂は上から下へと開花していきます。葉は互生で、長い楕円形の小葉が5~13枚セットになったものが、一つの葉を構成し、葉の縁には鋸歯のようなギザギザがあります。
根にはタンニンが多く含まれており、乾燥させたものを「地楡(ちゆ)」といって、漢方薬の血止剤として利用していたようです。
この花名にはいろんな漢字が当てられています。一つは「吾木香」。古い時代から使われていて、日本では木香を意味します。木香とはインド産のキク科の根のことで、強い芳香があります。次は「割木瓜」。平安時代、宮殿の御簾を飾ったり、頭に冠っていた布を「帽額(もこう)」といい、瓜を輪切りにしたような紋があり、この花が、その紋に似ていたところから転じて「木瓜」に、蕾が十字に割れるので「割木瓜」になった。そして「吾亦紅」。この字は和歌や俳句に、また、園芸店などで使っています。
最近では、シンガーソングライターすぎもとまさと(杉本真人)さんの♪マッチを擦ればおろしが吹いて・・・ではじまる「吾亦紅」があります。いづれにしても花の可愛らしさに変わりはありません。花言葉は「愛して慕う」「もの思い」です。
写真のワレモコウは高野山奥の院参道沿いの墓地に咲いていました。      (K記)


更新日:2018年8月15日 水曜日 22:01

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