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猫の伸びや転寝裸婦♪美術家協会展・紀川会展楽し

美術家たちの書画、写真、生け花、工芸作品を集めた「第20回 橋本市美術家協会展」と、絵画愛好家グループの油彩・水彩・日本画を集めた「第42回 紀川(きせん)会展」などが、2月23日、和歌山県橋本市教育文化会館4階で始まった。25日(日)まで。入場無料。
橋本市美術家協会展は、絵画の部19人、書の部12人、生け花の部15人、写真の部14人、工芸の部4人の力作を出展した。
例えば、絵画の部の面矢元子(おもや・もとこ)さんの「春風に乗って」は、競馬の疾走ぶりの油彩画。観覧者が地面の蟻(あり)の目線とすれば、そのすぐ目鼻先を馬と騎手が飛び越えていきそうな迫力で、馬の鼻息や蹄(ひづめ)の音さえ聴こえてくる。
書の部の後藤加寿恵(ごとう・かずえ)さんの作品「色は匂へど」=柿沼盟子(かきぬま・ともこ)さんの俳句=は、白紙に薄墨で渦(うず)を描いて、そこに「黒の秘む色さそひだす春隣」としたためた。この一句に書家の思いが重なっているようである。
一方、紀川(きせん)会展は、絵画愛好家28人が出展。ここでの面矢さんの作品は、2点の「クロッキー裸婦」で、その1点は、足を組んで椅子に座った裸婦、もう1点はあおむけに転寝(うたたね)でもするような裸婦。いずれも麗しく、豊満な命を感じさせている。
森川妙子(もりかわ・たえこ)さんも「無題」という題で、とくに淡い半具象的な色彩の中、一匹の猫が伸びをし、もう一匹が立ち去る姿を表現。何とも愉快な命の気配が漂っている。
寺田宗功(てらだ・むねはる)さんの「四郷の里」は、柿山らしい弧山を背にした茅葺(かやぶき)屋根の家がどっしり。日本一の串柿の里の、落ち着いた、歴史的佇(たたず)まいが伝わってくる。
橋本市美術家協会展、紀川会展の出展者や観覧者らは「今回も個性豊かな作品ばかり。何度も会場を巡りたい感じです」と、口々に感想を述べる。
書家の後藤さんや茶道・官休庵の教授・梅山香雪(うめやま・こうせつ=本名・厚子)さんは、数年前から俳句を学んでいて、「書道の心、茶道の心を、五七五の世界でも生かしたい」と話していた。
「橋本市美術家協会展」「紀川会展」さらに「翠の会展」は同時開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(最終日は同4時)。
写真(上)は猫の姿が可愛い森川さんの絵画「無題」。写真(中)は素晴らしい書作品などの飾られた美術家協会展。写真(下)は裸婦絵画でも名高い面矢さんの「クロッキー裸婦」の油彩画。


更新日:2018年2月24日 土曜日 00:00

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