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九度山まるごと美術館♪写真や立体アート見て歩く
町全体を丸ごと「美術館」に見立てた「くどやまアートウィーク」が和歌山県九度山町で開幕し、高野山真言宗の女人高野別格本山・慈尊院などの「世界遺産エリア」と、真田のみち(九度山商店街)などの「まちなかエリア」で、プロの芸術家の絵画や立体アート、写真などが展示されている。岡本章(おかもと・あきら)町長は「ぜひ、芸術の秋を堪能してください」と来訪を呼びかけている。10月15日(日)まで。
くどやま芸術祭実行委員会主催、特定非営利活動法人紀の国やっちょん振興会共催、南海電気鉄道株式会社後援、九度山住民クラブ協力。
先ず、道の駅「柿の郷くどやま」芝生広場で、住民らでつくる「紀州九度山真田鉄砲隊」が火縄銃・発砲演武でオープニング。芝生広場や真田のみちで、「紀の国やっちょん祭り」が開かれ、九度山の「十花仙(じゅっかせん)」や、橋本の「猛烈舞組(もうれつまいぐみ)など、計14グルーブが出演。躍動感と情緒あふれる郷土伝統の「やっちょん踊り」を繰り広げた。
慈尊院境内では、海作家・渡邊加奈(わたなべ・かな)さんが立体アート作品を展示。大小幾つかの四角い透明の器が秋日に光り、心地よい水が水平を保つ。すぐそばの噴水のしぶき、日の輝きをはね返している。
渡邊さんは「流れ着くところは違っても、またどこかで再会できる。川を流れた水は、それぞれどこかの海へ流れ着く。そして雲となり、雨となり、川を流れ、またどこかで、つかの間の再会がある」と記した。
九度山商店街近くの「大石順教尼の記念館(旧・萱野家)」などでは、土門拳(どもん・けん)氏ら巨匠のカラー現像・カラープリントを担当した写真家・米花尚士(よねはな・ひろし)さんの「地球の鼓動」をテーマに写真展を開催。日本の火山やアメリカの砂漠、古代遺跡など35点を出展。この星の時と形をありのままに示している。開館時間は午前10時~午後4時30分。月曜休館。観覧無料。
大阪など近府県から訪れた観光客らは、昨年、NHK大河ドラマ「真田丸」で脚光を浴びた〝幸村の里〟を周遊しながら、高野山麓の芸術祭を楽しんでいた。
このほか道の駅「柿の郷くどやま」では「辻義弘(つじ・よしひろ)絵画展」(~10月7日)、足立明里(あだち・あかり)×ホリウチダイ二人展「あの日、あの時、これから」(10月8日~同14日)、九度山橋近くの旧・牧野医院で「九度山百景絵画展」(~10月15日)などを開催。まちなか各所でも絵画や写真がショーウインドウ展示されている。
10月8日(日)午後7時30分から「将星真田幸村花火大会」の花火打ち上げ。同15日(日)午後3時~同6時には、慈尊院で紙芝居屋のガンチャン、AWAYAライブ、丹生官省符神社で午前10時から山田廣之信(やまだ・ひろのしん)生け花公開制作。午後6時頃には両社寺で「灯ろうライトアップ」される。
問い合わせは九度山芸術祭実行委員会事務局(電話=0736・54・2019)。
写真(上)は真田のみち(九度山商店街)でやっちょん踊りを繰り広げる「猛烈舞組」の女性たち。写真(中)は慈尊院境内に展示された渡邊加奈さんの立体アート作品。写真(下)は大石順教尼の記念館で米花尚士さんの写真に見入る女性たち。