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平和祈念像パンフ発行♪奉賛会「建立の歴史」記す

和歌山県かつらぎ町丁ノ町のかつらぎ公園に立つ巨大な地蔵菩薩立像の平和祈念像奉賛会=前田佳昭(まえだ・よしあき)会長=は、その地蔵菩薩立像の歴史を初めて紹介する記念誌(パンフ)「平和祈念像」を発行した。建立後長らく謎とされていた歴史を記しており、前田会長は「ぜひ、平和記念像建立の思いを知り、戦争犠牲者を慰霊、世界平和を祈ってほしい」と訴えている。
この平和祈念像は、紀の川北岸の同公園に立つ白亜のコンクリート製で、台座を含めて高さ約22メートルの立像。昭和30年(1955)かつらぎ町の有志が、戦争犠牲者の慰霊と世界平和を希求して、地蔵菩薩像建立を計画、同33年(58)に着工。町長が次々入れ替わる中、同59年(84)の5代目・溝端康雄(みぞばた・やすお)町長時代に完成した。
長い錫杖(しゃくじょう)を持って、参拝者にやさしい眼差しをそそぐ地蔵菩薩立像の姿は、紀の川市出身の彫刻家・保田龍門(やすだ・りゅうもん=1891~1965)氏がデザイン。
同35年(60)には大蔵大臣を務めた和歌山県出身の坊秀雄(ぼう・ひでお)衆議院議員(1904~90)や、東京都出身の藤山愛一郎(ふじやま・あいいちろう)外務大臣(1897~1985)らが協力。アメリカやイギリス、ドイツなど世界45か国の小石を収集して、地蔵菩薩立像の台座に埋め込み、建物内のショーケースにも展示した。
以来、毎年3月24日には春季慶讃(きょうさん)法要、8月24日には平和祭を営み、毎月24日は本堂を開門して、写経と平和の発信・啓蒙(けいもう)を行っている。
同奉賛会の平和祈念像・記念誌(パンフ)「平和祈念像」は、A4判14ページ・カラー刷り。郷土の溝端紙工印刷株式会社で3000冊発行した。
そこには山河を背景にした地蔵菩薩立像の姿や溝端町長、保田氏、坊、藤山両衆議院議員の顔写真、世界45か国の小石の写真、周辺略図や、「お地蔵様 道案内」のタイトルで「歴史体感コース」「かつらぎ満喫コース」「中距離コース」「グローバルコース」のQRコードを掲載。1冊200円(税込)で、地蔵菩薩立像そばの祈念館に置いている。御朱印帳のような表紙は、簡素な平和のハトをあしらっていて、参拝者の希望に応じて、祈念スタンプを押すことにしている。
このほど和歌山県伊都振興局で発表した前田会長と木下良一(きのした・りょういち)事務局長らは、「世界平和と一家安泰を祈った先人の思いを受け継ぎ、記念誌(パンフ)を作りました。ぜひ一度、平和祈念像の元へお越しください」と呼びかけていた。
写真(上)は記念誌「平和祈念像」を披露する前田会長。写真(中)はかつらぎ公園に立つ平和祈念像。写真(下)は建立に貢献した左から溝端町長、彫刻家・保田氏、坊、藤山両衆議院議員=冊子の一部。


更新日:2017年8月27日 日曜日 00:00

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