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「高野の花たち」(124)オダマキは勝利への決意
オダマキ(苧環)はキンポウゲ科の観賞用多年草で、高山に自生するミヤマオダマキが原種とみられています。別名イトクリソウ(糸繰草)とも。
5月に入ると、20~30センチの花茎に4センチほどの紫色した5弁の花を開きます。花色にはこのほか赤、黄、ピンク、橙などさまざまです。
オダマキ名の由来は、紡いだ麻糸を中が空洞になるように、円く巻きつけた形に似ていることからといわれています。
紫色の場合は「勝利への決意」とか「捨てられた恋人」が花言葉です。
オダマキは、地元の人たちが「白藤の里」と呼んでいる和歌山県高野町西郷(にしごう)の高野街道京・大坂道沿いの元白藤小学校あたりで、いろんな草花・木花とともに咲いていました。
里の人々は花を慈しむ心が強く、学校の校庭には、シバザクラなどの花壇やノウゼンカズラなどの植木があって、それぞれの花名に花言葉を添えた名札をつけています。花言葉を加えることにしたという女性は「この言葉を添えると、花の見方もより楽しんでもらえるから」と話していました。
民家の裏の高いケヤキ(欅)には、数多くの丸い株のヤドリギが目にとまりました。
この里周辺のことを少し紹介しておこう。このあたりは、明治から南海電車が極楽橋まで開通した昭和4年(1929)にかけて、高野山に最も近い宿場として栄え「日が昇ると銭が湧く」といわれるほど賑わったそうです。街道を少し九度山方面に下ると、「右京大坂道」などと刻まれた立派な道標や日本最後の仇討ちとして知られる旧跡などがあります。最寄りの駅は紀伊神谷。一度は訪ねてみたい所です。(H記)
更新日:2017年5月14日 日曜日 21:29