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「高野の花たち」(122)可憐なジロボウエンゴサク

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索)は林の木の下や野原などに生えるケシ科キケマン属の多年草です。九度山町の上古沢付近の道沿いに咲いていました。
「延胡索」という言葉は中国名で、漢方では根本の塊茎を茹でて乾燥したものを生薬にするそうです。ただし、漢方薬に使われるのは同属の別の植物で、ジロボウエンゴサクは使われません。
次郎坊とは伊勢地方の子供たちが、ジロボウエンゴサクを次郎坊、スミレを太郎坊と呼び、互いの距(きょ=花の後ろに伸びる蜜をためる部分)を引っ掛け、引っ張り合って、勝負を楽しんだそうです。太郎坊の方は地方名に留まったのに次郎坊は標準和名として採用され、この名がついたようです。
地中に径1センチほどの塊茎があり、ここから高さ10~20センチの細い茎を数本出します。紅紫色、青紫色、まれに白色の長さ2センチ前後の可憐な花を咲かせます。
花の下の苞は卵形です。花の後に出来る実は線形のさく果(熟すと縦裂して種子を散布する)で、全草にアルカイド成分を含み有毒です。花言葉は「妖精たちの秘密の舞踏会」。
私は昔からこの花が大好きで、庭で草引きをする時も、この花は抜かずに残します。(T記)


更新日:2017年5月3日 水曜日 22:51

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