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「高野の花たち」(116)優れた美人ソメイヨシノ

サクラを代表するソメイヨシノ(染井吉野)は、バラ科の落葉高木。オオシマザクラとエドヒガンの雑種で、観賞用として広く栽培されています。
ソメイヨシノは、幕末に江戸の染井村(現在の東京都豊島区馬込)の植木屋がひろめたものとして知られています。明治になって東京に広まり、このころはヨシノザクラと呼ばれていましたが、吉野山には全く関係ないのでソメイヨシノと改名されたそうです。
花は一重で、葉に先立って開き、初め淡紅色、しだいに白色に近づきます。花言葉はそのものずばり「優れた美人」。
南海高野線の下古沢(しもこさわ)駅(和歌山県九度山町)は、1928年(昭和8年)に開業し、今も当時の面影を色濃く残す駅舎です。この駅舎と老木に咲き誇るソメイヨシノが見事に調和し、得も言われぬ景観を作り出しています。
高野山行の電車が下古沢駅ホームに入線すると、乗客が車窓越しにカメラをサクラに向ける姿が見受けられ、その多くは外国人です。たぶん外国にはない珍しさと美しさに魅了され、思い出の1ページにとシャッターを切るのでしょう。
サクラは駅構内外合わせて4本ですが、地元の人の話では、およそ35年前、小学校もあり、レール沿いにたくさんのサクラがあって、満開時には花見会が開かれ、にぎわっていたようですが、害虫の弊害で伐採されてしまったそうです。
駅周辺では、かつては和紙である古沢紙(高野紙とも)と呼ばれる紙漉きが盛んにおこなわれ、全国的にも有名になったところでもあります。(H記)


更新日:2017年4月13日 木曜日 12:58

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