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「高野の花たち」(112)セキショウは薬用酒にも
セキショウ(石菖)はサトイモ科ショウブ属の常緑多年草。名前の由来は、石菖蒲の略で、「石」の字義から「葉が硬い菖蒲」また「薬となる菖蒲」からついたようです。
花は長さ8~10センチの淡紅色で、軸が肥厚して多肉質となり、その周囲に柄のない多数の花が密生することを言う肉穂花序(にくすいかじょ)をつけます。
春から初夏にかけて開花し、果実は緑色の卵円形。根茎は薬用として用いられ、神経痛や通風などに効き、物忘れの改善にも効果があるとされています。
根は乾燥してホワイトリカーに漬け込み、薬用酒として飲用することもできます。
セキショウの根は蛇によく似ており、蛇の化身のようです。蛇は水界の化身とみなされており、水辺に生息するセキショウは、この世とあの世をつなぐ聖なる場として、高野山町石道の出発地辺りに植えられたのでしょうか。
このセキショウは、花の美しくないことから、残念ながら花言葉は付けられていません。(E記)
更新日:2017年4月2日 日曜日 21:02