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「高野の花たち」(109)丹生官省符神社のウメの花
ウメ(梅)はバラ科の落葉高木で花は2~3月、葉に先立って開き、通常白色だが紅色、淡紅色のものもあります。和歌山県の花になっていて、花言葉は誠実・高潔・上品。3月上旬、私が訪ねた九度山町の丹生官省符神社境内で見ごろを迎え、心地よい香りが漂っていました。同神社は、弘法大師空海が高野山を開創した際、地元の守り神を祀ったのが由来とされ、世界遺産に登録されています。
ウメは中国原産で飛鳥時代に渡来、おそらく中国へ修行に行った僧侶や遣唐使によって持ち帰られたものであろうと考えられています。ウメは、語源辞典によると、古く中国語ではムエイのような発音だったが、日本人がウメと聞いたことによると記されていました。
誰にでも広く愛されるウメを詠んだ万葉歌が119首あります。その一つが山上憶良の「春されば まず咲く宿の 烏梅(うめ)の花 ひとり見つつ 春日(はるひ)のくらさむ」です。そのほか俳人高浜虚子の「梅を探りて病める老尼に二三言(ふたみこと)」があります。
今は温暖化など環境の変化で必ずしもそうではないようですが、昔からその年の最初に咲くのがウメで、最後に咲くのがキク(菊)とされ、ウメは花の兄、キクは花の弟といわれてきました。(H記)
更新日:2017年3月14日 火曜日 14:08