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「高野の花たち」(108)幸せにとユキワリイチゲ
ユキワリイチゲ(雪割一華)はキンポウゲ科イチリンソウ属。花は径3~5センチの白または薄紫色で、葉は褐色を帯びた濃い緑色に白い斑点があり、林の中や渓流沿いに生える多年草です。
「雪桜」は早春植物をいい、「一華」は一茎に一輪の花を咲かせるという意味です。
私がユキワリイチゲと初めて出会ったのは、花好きの仲間による案内でした。
高野山に前夜降った雪が20センチほど積もり、寒々とした杉木立の中に咲いていました。川の水がちょろちょろ流れる近くで、その川の水が葉を濡らし、一層寒く感じました。少しの光を求めて咲く、いじらしく可憐な花にカメラを向け、何枚か撮ったのですが、寒さのせいでカメラを持つ手が震え、シャッターボタンを押すのに苦労しました。友達の話では、この花が開花したときは薄い紫色だったそうです。
花言葉は幸せになる。寒い中で一生懸命に咲く姿は、厳しい冬を越す高野山の人々にとって「もうすぐ春、暖かくなりますよ」と知らせているかのように感じました。(M記)
更新日:2017年3月13日 月曜日 14:22