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願意届け!彫板画「十三仏」~黒河道・定福寺で記帳
和歌山県橋本市賢堂の世界遺産・高野参詣・黒河道(くろこみち)入口にある高野山真言宗・定福寺(じょうふくじ)で、見事な彫板画(ちょうはんが)「十三仏(じゅうさんぶつ)」(13枚)が飾られ、多くの参拝・観光客が「世界平和」や「家内安全」など、「願い届け」と奉納記帳している。生地清祥(おんじ・せいしょう)住職は「皆様の記帳を基にして、私が彫板画・十三仏の裏に、その願意やお名前を記し、本堂に展示保存します」と記帳を呼び掛けている。11月30日(水)まで。
「十三仏」とは人の死後、初七日から三十三回忌までの忌日を司る仏様のこと。初七日の不動明王、二・七日の釈迦如来、三・七日の文殊菩薩、四・七日の普賢菩薩、五・七日の地蔵菩薩、六・七日の弥勒菩薩、七・七日の薬師如来、百か日の観世音菩薩、一周忌の勢至菩薩、三回忌の阿弥陀如来、七回忌の阿閦(あしゅく)如来、十三回忌の大日如来、三十三回忌の虚空蔵(こくぞう)菩薩を言う。
今回、この彫板画「十三仏」(縦横各76センチ)は、大阪府阪南市在住の彫板画(ちょうはんが)創始者・田村茂(たむら・しげる)さんが、黒河道の世界遺産・追加登録を記念して製作・寄贈。参拝・観光客が、彫板画「十三仏」の裏側に願い事を記し、その願意成就(がんいじょうじゅ)を祈っての奉納を希望した。
定福寺ではこの意向を受けて、「什物法物(じゅうもつほうもつ)展・十三仏(じゅうさんぶつ)奉納記帳」(~11月30日)を開催。そこには彫板画「十三仏」を展示し、そばの机上には「家内安全」「交通安全」「病気平癒」「学業向上」「良縁成就」などの祈願文、住所、氏名を書く用紙を用意。記帳は390人限定で、希望者は1人御祈祷料1000円を納めて記帳。すでに県内外から約100人が記帳に訪れている。
生地住職は、この彫板画「十三仏」の裏側に、各位の祈願文や氏名を毛筆で記した後、橋本市の紀州高野組子細工師・池田秀峯(いけだ・しゅうほう)さんの協力を得て、本堂の天井に近い壁面に掲示。願意成就を祈って奉納・法要を営むことになっている。
田村さんは平成24年(2012)に板に彫刻して彩色を施す「彫板画」を開発。すでに県内では熊野本宮大社に「六歌仙(ろっかせん)」、高野山・福智院に「多聞天(たもんてん)・広目天(こうもくてん)」、椎出厳島神社別当寺・地蔵寺に「天井画・地蔵昇龍」、道の駅「柿の里くどやま」に「真田幸村像」を奉納・寄贈している。
生地住職は「彫板画・十三仏のほか、当寺に伝わる什物・法物(じゅうもつ・ほうもつ)も展示中。お気軽にお立ち寄りください」と言っている。記帳は自由。拝観は無料。
写真(上、下)は定福寺・庫裏に飾られた素晴らしい田村さんの彫板画「十三仏」。写真(中)は庫裏に設けられた記帳席。