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「高野の花たち」(101)美しくも猛毒のトリカブト
トリカブト(鳥兜)はキンポウゲ科トリカブト属の多年草で、山地の木陰や高地の草原などに生えます。
ドクウツギ、ドクゼリと並んで日本三大有毒植物といわれています。
アルカロイド(高等植物体中に存在する窒素を含む複雑な塩基性有機化合物の総称)が全草(特に根)にある猛毒で、誤って食べると嘔吐、呼吸困難、臓器不全により死に至ることもあります。
毒成分は、経皮吸収もするので、触れることも避けた方がよいでしょう。
芽吹きのころにはセリ、ニリンソウ、ヨモギなどと似ているため、誤食による死亡例もあるので注意が必要です。
有毒で怖いイメージのこの花ですが、花は美しくも健気な姿をしています。花弁に見える紫色の部分は萼片で、萼片が上部の兜、側兜,下部を作っています。
花弁は兜の中に隠れていて見えません。雄しべが顔をのぞかせていることが多いようです。
名の由来は、花が古来の衣装である鳥兜、烏帽子に似ているからとも、鶏のとさかに似ているからともいわれています。花言葉は「騎士道」「栄光」、また毒性があることから「復讐」「敵意」とも。
今の季節、高野三山や女人堂付近のほか、高野山周辺のあちこちで咲いています。同時にアケボノソウなども見ごろなので、マクロ機能のついたデジタルカメラやルーペを携えて散策するのもよいでしょう。(E記)
更新日:2016年9月29日 木曜日 20:35