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「高野の花たち」(100)キイジョウロウホトトギス

キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草)は、ユリ科ホトトギス属の耐寒性多年草植物。
名前の由来のキイ(紀伊)は紀伊半島固有の山野草で、ショウロウ(上臈)は優雅な貴婦人または江戸幕府大奥の職名、また位の高い僧を意味し、ホトトギス(杜鵑)は花の内側の模様が鳥のホトトギスの胸毛に似ていることからつけられたそうです。
気品ある優美さに、古くから茶室などで生花として楽しまれ、なんとも美しい黄色は見る者の心を一瞬なごませます。花は釣鐘のように下を向き、つぼみは上を向いています。
花言葉は「あなたの声がききたくて」で、和歌山県西牟婁郡すさみ町観光協会が、日本全国から公募により決定されたそうです。
艶やかな花の形から、風に揺れるとチリチリとまるで鈴の音がきこえてきそうなことから名付けられたのでしょう。
キイジョウロウホトトギスは別名「山里の貴婦人」とも呼ばれ、その美しさのゆえに乱獲などで減少、現在は絶滅危惧指定とされています。
高野山では女人堂近くで咲いていますが、心ない人に取られないことを願っています。
私は町石道を歩くようになってまだ10年程ですが、子どもの頃からたびたび歩かれている地元の人は「この辺は花群やったんやけどな~」とか「もっともっと変わったキノコがあった」といいます。地球環境の変化とともに、植物も変わったせいもあると思いますが、心ない人に根こそぎ持って行かれた事もあるそうです。
山歩きする一つの楽しみは、可愛い花との出会いです。手に触れ、持ち帰りたい気持ちになりますが、花にとってその場所が住みやすい事を感じていただきたいものです。(M記)


更新日:2016年9月26日 月曜日 22:39

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