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「高野の花たち」(95)ヨットか花器かツリフネソウ
ツリフネソウ(釣船草)はツリフネソウ科の一年草。40~80センチの茎の先から、小枝のように伸ばした先に紅紫色で3~4センチの横長の花が釣り下がるように多数咲きます。
名前の由来は、花を側面から見ると、帆を上げた船(ヨット)のように見えることからとか、生け花の釣船型の花器に似ていることからともいわれています。近似種として黄色の花をつけるキツリフネと葉の下に花が咲くハガクレツリフネがあります。
ツリフネソウは半日陰の湿った場所を好むのでしょうか、高野山の奥の院近くの木柵の中に、そっと咲いていました。
高野山在住の石田教子さんが色鉛筆で描いた画集「高野山折々の植物画譜」に「ツリフネソウを切り花で持ち帰ろうとしても、すぐ花が落ちるので、描くことがむずかしかった。ある時、触れると、ばちばちと爆(は)ぜ飛ぶ種子をビニール袋に受けて採取した。前庭に種子を蒔き、育てたのが見事に開花したので描くことができた」とツリフネソウの特徴を記しています。
花言葉は「心を休める」「詩的な愛」「期待」など。(H記)
更新日:2016年9月12日 月曜日 21:21