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「高野の花たち」(94)クサギ、名に反する美しさ
クサギ(臭木)は、クマツヅラクサギ属で、日当たりの良い山野の適湿な場所に生える高さ4~6メートルの落葉小高木です。山火事や土砂崩れなどで、それまでにあった植物が絶えた後に、いち早く浸入してくる木としても知られています。
花は両性花で、8~9月、枝先や枝先に近い葉腋から、芳香のある花を多数つけた集団花序を出します。
筒状の先端が5裂した白い花びらは、萼(がく)から長く突き出し、雄しべ、雌しべはさらに、その中から突き出しています。
萼は紅紫色で花後に濃紅色に変わり、星形に開いて残り、秋に光沢のある藍色で球形の果実が実ります。
果実は空色や若草色の染料として、萼は灰色の染料として使われます。若葉は山菜としても利用されますが、葉には独特の強い臭(にお)いがあり、そこから臭木と呼ばれるようになりました。花言葉は「運命」。
お盆前に高野山内を車で走っていて、下水場近くの木立の中に咲いているこの花に出会いました。名前に反してきれいな花でした。(K記)
更新日:2016年8月21日 日曜日 21:40