ニュース & 話題
名物「畑ごんぼ」無農薬栽培成功♪森岡さん収穫開始
江戸時代~昭和初期の〝幻の畑ごんぼ〟=牛蒡(ごぼう)=を復活させた和歌山県橋本市西畑の国城山山腹で、8月16日、畑ごんぼの収穫が始まった。畑ごんぼを材料に逸品「はたごんぼ茶」を開発した同市隅田町の「森康(もりやす)商店」代表の森岡康次(もりおか・やすつぐ)さん(65)は、「初の無農薬栽培が成功、畑ごんぼは見事な生育ぶりで、健康に良く安全安心な『はたごんぼ茶』を販売できる」と喜んでいる。
〝畑ごんぼ〟は、江戸時代から高野山参詣道「黒河道(くろこみち)」(国の史跡)沿いの国城山中腹(西畑・東畑地区)で栽培。昭和初期に途絶えたが約7年前、地元有志でつくる「プロムナード国城」=徳田勝治(とくだ・かつじ)会長=が復活栽培した。
森岡さんは、高麗人参生薬(こうらいにんじんしょうやく)と同じく、糖尿病や便秘予防、整腸作用などに効能がある〝畑ごんぼ〟を調査研究し、新ブランド商品「はたごんぼ茶」を開発。優良ふるさと食品コンクール・国産農林産品利用部門で「食料産業局長賞」を受賞した。
森岡さんは今年2月、知人の畑地(約7000平方メートル)を借り受けて畝(うね)づくり、3月に種をまいて、有機肥料と水やり、草引きなどを繰り返し、初めて無農薬栽培に成功。
この日、畑ごんぼの根元周辺を鍬(くわ)で掘って溜池状にし、そこにホースで水を入れて、地中が柔らかくなったところで、スコップを使い、両手で畑ごんぼを引き抜く。畑ごんぼは、すでに大きなものは長さ約50センチ、直径約5センチもあり、畑ごんぼの深い香りが鼻から喉にまで届くほどの出来栄え。
今後12月下旬まで、約1トンの収穫量が見込まれ、「森康商店」作業所で「はたごんぼ」に加工することになる。
森岡さんは「私はとにかく、美味しくて香りよく、健康にいい『はたごんぼ茶』をつくりたい一心。今年の『はたごんぼ茶』を期待してください」と胸を叩いていた。
「はたごんぼ茶」は12パック入り1袋(24グラム)648円(税込)。橋本市西畑の広域農道・紀の川フルーツライン沿いの産直市場「くにぎ広場」やJR南海橋本駅前の「はしもと広域観光案内所」で販売。
問い合わせは橋本市隅田町芋生182の7の森康(もりやす)商店(電話0736・34・0984)。
写真(上)は畑ごんぼを両手で引き抜く森岡さん。写真(中)は見事に育った畑ごんぼに大喜びの森岡さん。写真(下)は抜きたての畑ごんぼを洗う森岡さん。