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「高野の花たち」(89)岩場に涼しげイワタバコ

イワタバコ(岩煙草)は、沢沿いの湿った岩場や崖に自生している多年草で、ナス科のタバコの葉に似た幅広の葉を展開していることから、イワタバコと名付けられました。
花は紅紫色で、星形の五弁花に見えるが、基部がつながった合弁花の花からとび出している棒は花柱(雌しべ)、花柱をとり囲んでいるのが雄しべで、花後に細長い形をした実をつけます。中に小さな種が多数入っています。
花茎の高さは10~30センチで、1本の花茎に10~20個の花を付けます。葉は長さ10~30センチ、幅5~15センチの卵形で、1株に3枚ほど付けます。冬は枯れて、小さな塊になって、春を待ちます。
今年の春先、高野参詣道の黒河道沿いで、この塊を5~7ケ見つけ、開花を楽しみにしていました。先日、様子を見に行ったところ、岩場に数十株咲いていて、大感激。
きれいな山水のしずくを受けて咲いている姿は、水の精のようにも思えます。
タバコの葉にはニコチンがあって、食べられませんが、イワタバコの葉は生でも食べられ、山菜として、また漢方薬としても利用できます。花言葉はこの猛暑を吹き飛ばす「涼しげ」。(K記)


更新日:2016年8月3日 水曜日 19:47

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